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お返事と妄想自堕落日記
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勢いがあるうちに書いてしまおう。

地味に「好きです」と言ってくださる方が多い水嶋。オリキャラの多いサイトなので時々オリキャラもコメント頂くのですが彼もそのうちの一人です。

彼は大地さんのお仕事スケジュールを管理するクール秘書なのですが、そんな彼にも嫁がいます。
なのでカテゴリ大地さんですが、内容は水嶋です。




水嶋さんは、水嶋和泉(いずみ)という名前です。
嫁は櫻子。さくらこです。趣味はお菓子作り。
赤城さんの家よりはもう少し庶民的。

********


「…それにしても、櫻子さんは本当にお幸せねー」
「うふふ、ありがとう」

お友達の言葉に、私は謙遜もなくにっこりと応じる。だって、本当のことだもの。

「旦那さまは立派だし、見た目も本当に素敵な方だし、お家だってこんなに立派なんだもの。羨ましいわー」

確かに、その言葉には一つの間違いもない。ましてや誇張表現もない。正しく、和泉さんは立派で素敵な旦那さまで、この家も文句のつけようのない立派なお家だ。…ただし、この家に関しては赤城家の多大なる援助があったわけで、和泉さんだけで建てたわけではないけれど。まぁ、そこは和泉さんが如何に信頼されているかという証というわけだ。
そして、今いる応接室は和泉さんが「櫻子の為に」と言って、特別に立派に作ってくださったお部屋だ。洋風で、お茶もお菓子もいくらでも楽しめるようにと和泉さんが考えてくださった。こんなに素敵な事を考えつく人、一体和泉さん以外にどこに存在するというのだろう。
私は上機嫌で、お友達のカップに紅茶をそそいだ。これも、和泉さんと二人で選んだもの。

「ねぇ、悩み事なんてきっと無いんでしょう?」
「そんなことはないわ」

まるで、鳥がさえずるみたいに軽く、冗談ぽく言われた言葉に、けれども私は扱く真面目に、そして正直に答えた。
うきうきとご機嫌だった空気に、ひっそりと不穏が忍びよる。すっかり晴れた青空に、小さな雨雲が立ちこめるみたいに。

「私にだって、悩みくらいあるのよ」
「まぁ。それは幸せすぎて困るということ?」
「冗談仰らないで。簡単には相談できないような悩みくらい、私にだってあるの」

そう、これだけ幸せであるにも関わらず、私にはある一つの悩みがあった。これは、他の誰にも共有出来ない、とても特別な悩みだと、私は思っている。

和泉さんはとても仕事熱心な人だ。それはいい。お仕事が忙しくてあまりゆっくりお話することが出来なくても「櫻子のお陰で俺は仕事に集中出来るのだから」と言ってくれるからいい。

問題はそこではない。

「そ、そうよね…あ、わかったわ。あんなに麗しい方だもの。きっと女の人に人気で困ってしまうわね」
「女じゃないわ」
「え?」
「女ではないのよ。残念ながら」

きっぱりと言い切った私の目は、もしかしたら据わっていたかもしれない。
そう、女ではない。女であればまだ対処のしようもあるのかもしれない。
女ではなく、男。しかも、兄弟のように育ったという幼馴染。

赤城大地。

水嶋家は元々和泉さんのお父様の代から赤城家に仕えている。(といっても、赤城家は元々華族でも士族もでないので単なる上司と部下の関係だそうだけど)だから、必然的に二代目同士である大地さんと和泉さんが同じような関係になったとして不思議はない。その事に異論があるわけでもない。
そこには、ないけれど!!

「和泉さんは、大地さんを構いすぎるの!」

秘書の仕事は多岐に渡る。勤務時間内でやりきれず家に持ち帰ることは常だ。というより、寝ても醒めても、和泉さんは大地さん大地さんと、口を開けばあの薄ぼんやりした上司の事ばかり。仕事熱心な和泉さんは、あののほほんとしたお坊ちゃんのお世話の事で頭がいっぱいになるのだ。

(私という!妻がありながら!よ!)

「今日だって!本当はお休みだったのに!突然上司が買い物に出掛けるからって!」

行きたければ勝手にどこへなりとも行けばいいじゃない!と息捲く私に、仕事なんだから仕方がないじゃないのとお友達が恐々と宥める。
お友達には申し訳ないから黙っているけれど、本当は和泉さんとゆっくりお茶をしているはずだった。それでなくてもあまりのんびり出来る時間はないのだ。
それを!あの男は!よりにもよって自分の買い物に行く為に和泉さんを連れ出したのだ!!私の夫の、本当は私と楽しくお茶をしてゆっくりと休日を楽しむはずだった和泉さんを!

「さ、櫻子さん、少し落ち着いてくださいな」
「じゅうっぶん落ち着いているわ!ええ、これ以上ないくらい!」

青空の、ちっぽけな雨雲どころの騒ぎじゃない。思い出しただけでも腹立たしい。台風にみたいに荒れている心を抱え、それでも私は今朝ちゃんと和泉さんを送りだした。朝ごはんもきちんと時間通りに用意して、和泉さんは起こしに行くまでも無くもう準備されていたし、玄関まで笑顔で送り出した。帰る時間はわからないから、夕飯は用意しなくてもいいよ、と言われるところまで、きっちりと。

「じょう…だんじゃないっつーのよ!ヒトん家のダンナ捕まえて買い物って何よ!ナニサマよ!ええそりゃ上司サマでしょうけど、買い物くらい勝手に行けっつうの!大体、子供の頃から兄弟のように育った幼馴染って何よ!!何よその設定!!秘書がツンデレメガネのクールイケメンで、上司が年下、しかも何かタッカンしちゃってて、何だかほっとけないッポイオーラ出しちゃってて結局世話を焼いてしまう、または焼かれてしまう幼馴染って何よその安易な設定!!どうとでもなるじゃない!!!どうとでも転がせるじゃないのどうしてくれんのよ!!!和泉さんのイケメン設定はそんな為にあるんじゃないんだから!!!私との!!らぶらぶ甘々新婚生活の為じゃない!!のーまる!!のーまる、らーっぶの為じゃない!!!!!」
「…さ、櫻子さん…?!」

(…はっ)

立ち上がり、拳を握りしめる私を恐る恐る見上げるお友達の視線に、はたと気がついた。
わ、私ってば一体何を口走っているのかしら…。怒りのあまりおかしな事を言ってしまったわ。まったく、それもこれもあのうすらぼんやり上司の大地さんのせい。
それでも、一時よりは状況はかなり好転した。あの大地さんにお嫁さんが来たのだ。しかも、私よりも年若い、女の子。式で見たけれど、まるでお人形みたいだった。日本人形じゃなく、西洋のお人形みたいな、くっきりしたお顔立ちの綺麗な子。今日のお買い物は奥様である彼女も一緒らしい。琴子さん、と言ったかしら。実は彼女のお嫁入りには色々な噂や憶測や…まぁもっと簡単に言えば陰口のような事もたくさん言われたのだと言うのを私は和泉さんから聞いて知っている。
だけど大地さんが結婚したという事実は変わらない。そしてその琴子さんを大地さんがとても大事にしているという話で、私の中の大地さんの評価はかなり上がりつつあった。和泉さんとの「あらぬ関係」もどうやら単なる私の考え過ぎだったみたいだし、ああいう大企業のお偉いさんというのは、バカの一つ憶えみたいにあちこちに女の人を作るものだけれど、それもない。愛妻家なのだ。ならば、益々和泉さんの事は単なる秘書であるのだと、安心出来るもの。
もちろん、油断は出来ない。愛妻家だというのも、この目で確かめてみるまでは全く信用ならない。そんな話、うわべだけならいくらでも作れる。
お友達は呆気にとられ、少しぬるくなった紅茶をすすった。

「はぁ…櫻子さんのお悩みってそんなことなの…?私、よくわからないわ…」
「そんな事!?大事なことよ、これは!!もしかしたら、そんな風に私に言っておけと脅されているかもしれないじゃないの!」
「そんなはずないでしょう?あなたって相変わらず想像力豊かというか、妄想たくましいっていうか…」
「ああ、今だって、本当にただの買い物なのかしら…!もしも、もしもどこか薄暗いところで…誰も来ない、誰を呼んでも声が届かないようなところで…私の和泉さんが…!!」

付き合ってられないわよと、お友達には呆れ顔をされた。いいの、所詮これは私と和泉さんの問題であり、和泉さんを旦那様に持つ私以外には決して誰にも共有出来ない悩みなのだから。



**********



櫻子を紹介してくれたのは、赤城家の一代目…つまり大地さんの父上にあたる人だ。良い子がいるから、という事だったが、話を聞けば櫻子の父親が彼女の相手を探していたそうだ。櫻子は商売をしている実家の手伝いをしていてしっかりしているし、料理の腕も確か、容姿だって充分に魅力的だというのだから全く文句のつけようも無い相手だったが、そんな彼女が何故大地さんではなく、俺にと話が回ってきたかと言えば、それは彼女が爵位の一つも持たぬ家の娘だったからだろう。櫻子の家が侯爵か伯爵かであれば、有無を言わざず大地さんと見合いをさせて、もしかしたら琴子様、ではなく、櫻子様、と呼んでいたかもしれない。
一度、そんな話を櫻子にしたことがあったが、その時は酷く怒って「ふざけないで!」と俺に食って掛かった。「私は和泉さんとだから結婚したんだから!大地さんとなんか、冗談じゃないわ!」
明らかに上司の悪口だから、これは夫としては諌めなければいけないはずだったのだが、その時俺は、不覚にも笑ったのだった。
大地さんは大切な幼馴染で、仕事上では支えるべき上司だ。自分の親もそうだから、自然と大地さんの後ろに控えていようと思っていたし、周りにもそのように見られている、見られるべきだと意識していた。それは、それで自分だから出来る役目だと自負もしている。
それでも、そんな俺に「大地さんなんか」と言った櫻子の言葉に、俺は、少なからず心動かされていた。櫻子は、ただ俺を選んだのだと。
…まぁ、それ位には絆されている、というわけだ。

「ただいま」
「お帰りなさーい!」

玄関をくぐれば、櫻子は上機嫌で出迎えてくれた。彼女はいつでも大体機嫌が良い。

「すまないな、遅くなって」
「いいえ、ご苦労様でした。お食事は?」
「済ませてきた」

渡した上着を受け取りながら、今日はどうでした?あ、お風呂はもう沸いてます!あのね、今日はお友達とお茶をして…と、ぱたぱた付いて回る櫻子の口が止まることはない。これも大体いつも通りだ。ころころと子犬が付いて回るみたいに。

「櫻子」
「はい!」
「…少し落ち着きなさい。話は後でゆっくり聞くから」
「…本当に?」
「本当だよ。俺が櫻子に嘘をついた事でも?」

櫻子は口を閉ざし、小さな顎に指を付けて考えこむ。それから、自慢げに笑った。

「…私は気付いていないけれど、あるかもしれないわ」
「へぇ?」
「だって、和泉さんは場合によっては私にも嘘をつくかもしれないもの、私の為に」
「なるほど」

こういうところが、櫻子らしい物の考え方とも言える。それから、

「それに、それは嘘かもしれないけれど、和泉さんが本当だと言えば私にとってそれは本当だから問題ないの」

と、後に続くこの言葉も。彼女はただ本当に、それだけの意味でそうした言葉を選ぶ。

「…お茶を、もらえるか」
「はい!何がいいです?紅茶?それとも普通にお煎茶にしましょうか?珈琲もあったけれど…」
「何でもいいけど…紅茶にしようか」
「わかりました」
「それと、これは君に。…休みの日まで留守番をさせて悪かった」
「まぁ…、なぁに?」

贈り物用に包装してもらったそれを手渡すと、櫻子は目を輝かせて受け取り、丁寧に包みを開ける。

「…本?あっ、お菓子の写真が沢山載ってる!」
「レシピだよ」
「れし…ぴ?」
「作り方が載っているんだ。櫻子のお菓子作りの励みになるように」

彼女は料理も上手だが、お菓子作りが趣味なのだ。お陰で食わず嫌いで遠ざけていた甘いものを、結婚してからは食べるようになった。とはいえ、余所で出されたものにはあまり食指が働かない。不思議と、櫻子の作ったものはいくらでも食べられるのだけれど。
櫻子はしばらく本をぱらぱらと捲っていたが、少し困ったような顔をしてこちらを見上げた。

「でも、これ私には読めないわ」

外国語だもの、と、俺にむけて本を広げる。それは舶来の洋書だ、確かに櫻子には読むのは難しいだろう。
もちろん、それは買った時点でわかっていた事だけれども。

「じゃあ俺が読もう」
「え!?和泉さん読めるの!?」
「材料と、分量と…後は少しの文章だから、読めなくはないさ。日本語に書きなおしてもいいし、読んで聞かせてもいい」
「読んで聞かせてもらうのがいい!!」

間髪いれずに答え、それから感極まったように抱きついてくる櫻子に、笑ってしまった。櫻子の体温と、ふわりと香る彼女の匂い。あまくて、心地が良い。

「私の横で、和泉さんがその本を読んでくれるの!そうしたら、二人で一緒に出来るでしょう?私、和泉さんの言うとおりに作るっ!和泉さんと一緒にお菓子作りなんて、本当に素敵だもの!!」
「わかったから、少し落ち着きなさい」
「…はぁい。…でも、そうとなったら今度こそ大地さんにきちんとお休みをもらってきてくださいね?」
「わかっているよ」

不満そうに口を尖らせる櫻子の頭を撫でてから、さて、大地さんに何と言って休みを確保しようかと考えを巡らせる。



仕事柄、何事も上司最優先の立場だが、こればかりは譲れないのだから。






櫻子さんはどんな子かというと、旦那さま好き好き!な、上に、想像力たくましいので、大地さんと和泉さんの間に何かあるんじゃないかしらそわそわ、という疑惑(妄想)を抱いてます。
…いや、本当はもっとほんわかのほほんとした嫁のつもりだったんですけど…wちょっとはっちゃけた感じになっちゃったw言いたい事も結構言う感じ。ここも、大地さんとこ程じゃないですが、年の差はあります。

ところで、水嶋の仕事用じゃない口調がよくわからない…。でも一人称は「私」から「俺」に自然と変わります。これだけ決まってる。
こんな感じでどうでしょうか!?(どこ方面にw)
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