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お返事と妄想自堕落日記
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最近は夜は過ごしやすいですね。昨夜は寒いくらいで逆に目が覚めました…。

赤城兄弟はあまり汗とかかかなさそうです。それとも暑いの苦手かな?どっち?夏でも冬でもニュートラルに過ごしてそうですね。

何かと言うと、うちの大地さんと琴子さんはおやすみの時はぎゅうってくっついて寝るんだよというのがいつも通りというバカップル夫婦ですが、暑い夜はどうするのって話。長くはしない。

*説明不足で申し訳ないのですが、年の差仲良し夫婦さんです。(何て雑な)



「…そろそろ休もうか、琴子」
「はい、大地さん」

今夜は珍しく二人揃って眠れる日だ。琴子はひらひらとした洋物の寝間着姿で大地の傍に来る。特に意味も無く、琴子の髪に触れてみた。黒く、つやつやとした髪。

「…それにしても、今夜も蒸すなぁ」

季節は夏真っ盛りだ。朝晩はそれ程でもないとはいえ、ここ数日は、昼間の暑さが夜にも残っているかのように蒸し暑い。窓を開けて風の通りを期待しているのだが、それも今夜は望み薄のようだ。
僅かだが熱気の抜けきらない空気はまるで緩く体に纏うようで、心地が良いとは言い難い。

「…あれ?琴子、寝ないの?」

気付けば、琴子は寝台の横に突っ立ったままだった。普段なら大地の後に寝台に上がってくるはずなのに。声を掛ければ、琴子は何やら神妙な面持ちで大地の方を見上げる。
そして、思い詰めたような表情で、「大地さん」と呟いた。

「なぁに?そんなところで立っていたら眠れないよ、お姫ぃさん?」
「あの…一つ、大地さんにお話しようと思っていたことがあるの」
「話?何だろう」

また一体何を思いついたのだろうか。今まで言えなかったくらいに重大な事だろうか。
琴子は、言いにくそうにもじもじと視線を彷徨わせて、ぽつぽつと話し始めた。

「あのね…、いつも寝る時は、こう…ぎゅってして寝るでしょう?」
「うん、そうだね」

琴子の、空中に腕を回す仕草を見て、大地は頷く。
それは、こうして一緒に眠るようになってからの夫婦の慣習だった。別に大地が強要したわけではないし、琴子がそれを熱望したわけでもない。何となく、そういう風になっていたからそうしている。
ふと、思いついた事があって、大地はそれをそのまま口にした。

「…もしかして、そうして眠るのは嫌だった?」

嫌だったとしても、琴子の立場からするとそれは言い出しにくいだろう。自分としてはそれはしっくり馴染んでいたし、気に入ってもいたから残念だけれど…と思ったが、琴子は驚いたように目を見張り、ぶんぶんと首を振った。

「違いますっ!そんなはずないじゃないですかっ!」
「そ、そうか…じゃあどうしたんだろう」
「あの…わたし、大地さんと一緒にそうして寝るのは…その、だいすきだし、ずっとそうしていたいんですけど…でも…」

顔を赤くしてごにょごにょと言い募る琴子を見て、かわいい事を言ってくれるねと微笑ましい気持ちになるのは許してほしい。

「いいよ、怒ったりしないから。正直に言ってごらん」
「あの…、…ぃの」
「え?」

小さくなっていった声は上手く聴きとれず、大地はもう一度聞き返した。琴子は困ったような顔をして、けれど結局は観念したのか、はっきり言った。

「暑いの」
「暑い?」
「大地さんと、ぎゅってしたいけど、でも、暑くて寝れないの!…た、大地さんはあんまり気にしてなさそうだったから今まで黙っていたけど…」

これは予想外な、けれども考えてみれば至極尤もな話だった。確かに、この時期にくっついて寝るのは暑苦しい。いや、大地はそれほど気にならなかったが、琴子の方はそうではなかったようだ。
大地は琴子に向かって朗らかに笑う。そんな事を気にしていたなんて、相も変わらず愛らしいお姫ぃさんだ。

「何だ、思い詰めた顔して何を言うのかと思えば…いいよ、じゃあ今日からは離れて寝れば…」
「で、でも…!」
「ん?」
「暑いけど…離れちゃうのも…さびしいから…」
「……」
「だ、だから、どうしたらいいかしらってずっと考えていたんだけど、どうしてもいい考えが思い浮かばなくて…ねぇ、大地さん、どうしたらいいですか…?」
「…まったく、本当にあなたって人は」

そんな事を一生懸命考えていた琴子に、可愛らしいとか、愛らしいとか、あとはただ純粋に嬉しいとか、そういう気持ちになっても仕方がないと思う。

「…そうまで言われたらやっぱり、離したくなくなってしまうな」
「えっ?」
「と、言いたいところだけど、琴子さんが眠れないのは困りますからね。…じゃあ、こうしようか」

笑い出したい気持ちを堪えつつ、大地は琴子に手を差し出す。
反射的に重ねられた琴子の手を、大地はそっと握った。

「大地さん…?」
「こうして、手だけなら、暑くないでしょう?だから、もうお休み、お姫ぃさん」
「…はい!」

横になった琴子の髪を撫でてから、もう一度手を繋ぐ。「おやすみなさい、大地さん」と言って、琴子がうっとりと目を閉じたのを確認して、大地は目を瞑った。


 


書いていて恥ずかしいレベル。そして久々に「お姫ぃさん」とたくさん言わせてみた。















 

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