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お返事と妄想自堕落日記
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仕事の合間の空き時間におおかみこどもを観に行きました。ほんとは踊る観たかったんだけど時間合わなかった…。
おおかみこどもってサマウォの人らしいよということで、サマウォがどうも苦手な私は食わず嫌いしていたのですが、結果的には観てよかったなと思います。とても大人なアニメだった。描かれている世界も物語も美しく、でもこれは完全に大人向けであって子供連れで見に行く作品ではないな、というのが個人的感想。
大人だからこそうつくしく感じて、大人だからこそ涙が出る。そんな作品なんじゃないかと。
私もちょこっと泣きました。でもそれは全然何でもないシーンで、でもこの涙のタイミングって、あぁ私ももう子供ではないのだなぁと思いました。
逆に、子供が見たら何を感じるのだろう。作中にも子供たちが出てきますが、あれくらいの年頃の子ってああいうのを観て何を想うのだろう。

そういう意味では子供に観せたいかもしれない。私は子持ちじゃないけれど。実は子供だって大人が思ってる程子供じゃないしね。そもそも子供いないからわからんけど。

とまぁ、それとは別に赤城の話です。「ぼくうみ」の方。いい加減本編がしょっぱいので甘い二人の話が…とリク頂いたので書いてみる。




【ひざまくら】


(…あれ)

居間を横切ろうとした伊織ははたと足を止める。奥に見えるソファに座りこんでいる姿は、伊織には間違いようのない人だ。

「一雪さん?」

部屋に入り、足音を立てないようにそっと近づいてみる。声を掛けたけれど返事はなかった。ただ、傍によるとすうすうと規則正しい呼吸音が聞こえるだけ。

「…眠ってらっしゃるの?」

何か読書中だったらしい。膝の上に開いたままの本が置きっぱなしになっている。首は僅かに右側に傾いていた。

「一雪さん、こんなところで眠ってしまったら風邪をひいてしまいますよ?」

伊織は一雪の首が傾いている方に座った。もちろん一番の目的は起こすことだが、一雪の寝顔も見てみたかったのだ。
考えてみれば、彼の眠りこけている顔なんて見たことがない。
何となく起こすような言葉を掛けながらも、伊織は一雪の顔を横からそっと覗いてみる。目を閉じていても相変わらず端正な顔立ち。でも、いつもより少し幼く見えるのは、やはり寝顔だからだろうか。

(一雪さんでもこんな顔するのねぇ…)

大抵、澄ましたような顔で嫌味や皮肉を言っている一雪だ。こんな風に素直な表情と言うのも珍しいかもしれない。

「…ふふ」

いつもこんな風だったらいいのに、と、つい笑みをもらした瞬間、くらりと一雪の体が傾いだ。

「え…えっえっ、ちょっと…!」

そのまま、重力に従って一雪の体は伊織の膝の上にかぶさった。骨ばった肩や、見た目よりは柔らかそうな髪の感触が膝に伝わる。

「かかか、かずゆきさん、起きてっ…!」

ゆさゆさと肩を揺すってみるものの、一雪の目は覚めない。相変わらず暢気な寝息が立つだけだ。

「伊織さんいるー?って…きゃああ!」
「こっ、琴子さん…っ、ち、違うのこれはあの…っ!」
「わわわわわわたしこそおじゃましてごめんなさいっ!ごゆっくり!」

部屋に入りかけた琴子はそのままばたばたと行ってしまった。何かとんだ誤解をされた予感に、くらくらと目眩がしそうだ。
くっくと震える膝の上の肩に、伊織は真っ赤に火照った顔でじっとりと見降ろす。この騒ぎで起きていないはずがない。

「…一雪さん?起きているんでしょう?」
「ううん、寝てる」
「嘘ばっかり!寝ている人が寝てますなんてお返事するわけないもの」
「まぁ、いいじゃない。まさか家で膝枕をしてはいけないなんて法律があるわけじゃないし」
「そんなの無いでしょうけど…今すぐ作ってほしいくらいです」
「それは困るな」

くるりと体の向きを変えた一雪は、伊織をまっすぐに見上げる。

「こんなかわいい顔、見れなくなるのは勿体ない。それに、僕の寝顔を見ていたんだからお互いさまだろ?」
「…ずるい」

ずるいわ、そんな言い方。
では、あの時からもう気付いていたのだ、この人は。そうやって、いつも伊織のことをからかう。
大体は恥ずかしいから止めて欲しいのに、でもいつも最後は許してしまうように持っていくのだから、ずるい。

「もう、早く起きて下さい」
「嫌だよ、第一、僕はまだ寝ているんだから。お義姉さんもごゆっくりって言ってたし」
「だって!もう起きているじゃないですか!」
「じゃあ、もう少し。…伊織の真っ赤なほっぺたが、少しはマシになるまでね」

面白そうに笑う一雪に、それじゃあまだずいぶん時間がかかってしまうわ、と、伊織はむくれて、それから少しだけ笑った。



早く両想いになれるといいねぇ…(まるでヒトゴト)


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