お返事と妄想自堕落日記
最近、素敵な漫画を見つけてお気に入りです。そして音楽も新たに手に入れてご機嫌です。
GWはゆったり…でもなかったけど、まぁまぁお休みできたかなー。明日から新しいお仕事も始まってちょっとドキドキです。
さて続きは大地と琴子さん。お買いものをするの巻。
GWはゆったり…でもなかったけど、まぁまぁお休みできたかなー。明日から新しいお仕事も始まってちょっとドキドキです。
さて続きは大地と琴子さん。お買いものをするの巻。
「たまのお休みなんだもの。出掛けていらっしゃいな」
と、送り出してくれたのはお義母さまだった。大地さんは毎日お仕事でお疲れだからお休みの日はせめてお家でゆっくりして頂かないと休まる時がない。そりゃあ、お出掛け出来るのは嬉しいですけれど、と言うと、
「そんな甲斐性なしに育てた憶えはないわ」
と、ばっさり言われてしまい、大地さんも「せっかくああ言うんだから行こう」と言って下さった。
本当に良かったのかしら…と思ったのだけれど。
「僕と出掛けるのはイヤですか?」
「まさか!とっても嬉しいです!」
もちろん、私は二つ返事で大地さんに飛びついてしまった。
実は二人で出掛けることは割とある。ただしそれはどこそこの夜会だとか、誰それとご一緒する会食だとか、そんなのばかりだ。遊びにいくのとは違う。
秘書の水嶋さんが運転してくれる車の中で、大地さんは私に「どこへ行こうか」と顔を覗き込む。どことなく、大地さんもうきうきしているような感じだった。
「琴子さんが行きたいところならどこへだって行きますよ?」
「…お言葉ですが、運転しているのは私であることをお忘れなく」
「あ、悪かったね。折角の休みに借り出してしまって」
「お陰さまで妻から買い物を頼まれましたので」
運転中の水嶋さんは前を向いたままだけど、大地さんと比べて明らかに不機嫌そう。皮肉たっぷり、と言った感じの言葉に、私は浮かれていた気持ちがしゅんとしぼんでしまう。確かに、私と大地さんにとってはお休みのお出かけでも、水嶋さんにとってはそういうわけにはいかないのかもしれない。思わず運転席の方へ身を乗り出してまっすぐ前を見る水嶋さんの横顔に話しかけた。
「あの…ごめんなさい水嶋さん。お休みの時にご足労頂いて」
「…琴子さまが謝られることではありませんよ。それより、きちんと座っておいてください。危ないですから」
「…はい」
「琴子さまと、大地さんにお休みを満喫して頂くのが私の仕事ですから」
最後、ほんの少し柔らかくなった水嶋さんの声に、なんだ、琴子には随分優しいじゃないか、と、大地さんの呆れたような声が後ろでぽつりと零れた。二人が時々こんな風に会話をするのが、少し羨ましい。大地さんに言ったらとっても不思議がられたけれど。
結局、行き先は百貨店になった。私は大地さんと外で一緒にお買いものをしたことがない。赤城家に来てからはそもそも買い物を外でする事がなくなってしまった。大抵は御用聞きの方が家にいらっしゃるし、それ以外はお使いの方が別にいる。食べるものも着るものもお家にいれば揃ってしまう。だから、一度大地さんと二人でお買い物をしてみたかった。別に買わなくても、一緒にお店を冷やかすだけでも楽しそうだ。
「それはいいね」
大地さんは二つ返事で承諾してくれて、私達は百貨店に来ている。初めて来た百貨店は見た事もないもので溢れていて、キラキラしていた。呉服、洋服、雑貨、小物、化粧品に、帽子、食料品。輸入された珍しいものまで。まるでおもちゃ箱をひっくり返したみたい。
奥様のお買いものがある水嶋さんとは後で落ち合う約束をして、私と大地さんは洋装店に来ていた。私のお洋服を大地さんは買いたいのだそうだ。大地さん曰く「着物の善し悪しは自信ないけど、洋服は琴子に似合ったものを選べる」ということらしい。
「あ。この花柄かわいい」
「へぇ、こういうのが好きなんだね。…あ、あれは?」
「あれも素敵ですね」
「でも、こっちも意外に似合う気がするなぁ」
そんな話をしながらあれこれお洋服を見て行くのは楽しい。一人じゃなくて大地さんと一緒だからとても楽しい。大地さんは意外に真剣に「こっちもいいけど…やっぱり琴子にはこっちかなぁ?」だなんて物色しているのも何だかおかしい。
それに、大地さんが選んでくれるお洋服を着るのって、少しドキドキするもの。
…なぁんて、大地さんには内緒でこっそり一人で喜んでいた私だったけれど、段々ただ喜んでいるだけはなくなってきた。
「…さて、試着もしたし、次に行こうか」
「あ、はい」
私は当然、それは「ここでは買わずに次のお店を見よう」と言う意味だと思ったのだけど。大地さんが傍に居た店員さんに「じゃあこれお願いしますね」と頼んだのを聞いてびっくりしてしまった。
「た、大地さん。お願いしますって…」
「あ、そうかごめん。届けてもらえればいいやと思ったけど、持って帰ってすぐ着たいよね」
「あの、あのそういう意味じゃなくて!ま、まさかこれ全部…」
「え?気に入らないのがあった?じゃあそれはよけてもらえばいいよ?」
「ちがいますっ!」
私は思わず大きな声を出してしまった。だって、ここで大地さんに勧められるままに試着したお洋服は2,3着じゃない。もちろんどれも素敵だったし、全部買えたなら嬉しいけれど、いくらなんでも多すぎる。
「こ、こんなたくさん…」
「そう?まぁ、ちょっと奮発しちゃったかなぁ。でも、折角琴子の為に選んだんだから」
「う…」
そんな風に言われたら、私は何も言えなくなってしまう。折角大地さんが選んでくれたお洋服なのだから、私だって全部着てみたい。
「いいじゃない。こんな買い物、滅多にしないんだから」
「そう…ですか…?」
「そうだよ?ほら、次は靴を見に行こう」
「ええっ!まだ買うんですか?」
「そりゃ、洋服に合う靴が必要だろ?ほら、行くよ?」
こうして、大地さんが選ぶがまま私達はどんどんお買い物をした。靴に鞄に帽子。お部屋に飾る小物。外国のお菓子。
もちろん、欲しいものが手に入るのは嬉しいし、楽しい。でも、大地さんのお金の使いっぷりは、貧乏だった私にしてみれば気が気じゃなかった。大体、お野菜を買ったりお魚を買ったりするのとは訳が違う。小さな箱に入ったキャラメルだって、決して気軽に買える値段じゃないのに。でも、大地さんは全然気にしていないみたいだった。というより、そのうち私より大地さんの方がずっとお買い物を楽しんでいて、「これ以上は要りません」なんて絶対言える雰囲気じゃなかった。
「…はぁ。仕方ない人ですね」
「だ、大丈夫なのかしら…いくら赤城のお家がお金持ちだからって」
「あぁ、それは心配要りませんよ。あれは大地さんの、謂わばお小遣いですから。赤城家は関係ありません」
「そ、そうしたら、大地さんのお小遣いがなくなっちゃわないの…?」
大地さんがお支払いの手続きをしている間(さすがに代理の水嶋さんではなく、大地さん本人が手続きをすることになったみたい)、百貨店の中にある喫茶室であんみつを食べながら、私は水嶋さんにさっきまでのお買い物の様子を話していた。
わたしの心配なんて無用とでも言いたげに水嶋さんはまた一つ溜息をつく。
「それも心配いりません。大体、あの人は琴子さまとご結婚されるまで金を使うことがありませんでしたから。カナシイ独身時代の貯金です」
「え?」
「…まぁ、用は貴女にお金を使いたくて仕方ないんですよ。お金だけじゃなく時間も、でしょうけど。大地さんの気が収まると思って、お付き合い差し上げてください」
「はぁ…」
「でも、あの人は琴子さまの事になると見境なくなってしまいますから。しっかり手綱を取られることも、奥様の務めかもしれませんね」
「は、はぃっ!」
(そ、それはそうだわ…!)
いくら大地さんでも、やっぱり言うべき時は言うのが妻の役目なのだわ…と思ったけれど、本当に、言えるようになるかしら?
「また来ようね」
買い物の終わりそう言って、今まで見た事ないくらいきらきらしていた大地さんの笑顔を思い出しながら、私にはまだ無理かもしれないわ、と、あんみつをもう一口食べた。
大地さんは物ごころついた時からぼっちゃん育ちだった上に買い物なんてしたことないのでこうなります。
そのうち、「大地さん、もう今日はここまでにしましょう?」ってちょっと大人になった琴子に言われたらいいわ。思わぬダメな話になったw妻バカですwww
そして、気付いたら水嶋さんが毒舌キャラになってた。超展開。
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