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お返事と妄想自堕落日記
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紅白見て金爆とももクロちゃん好きだな―と思ったaikaさんです。
思い切り流行りに乗っかってる感。


またちょこっと書きにきたわけだけど、こんなん書いてるからいつまでも色々と進まないんじゃないかと…。


いや、わかってる。でも許してもらってる、てか諦められてる。
ほとんどオリジナルで申し訳ないです。おまけにのっけから汚いです。







「…おぉぇっ…うぇっ…げぇっ…」

もう吐いても胃液も出ない、というところまで吐きだして、冷たい公園の茂みに体を投げ出す。うっすらと涙で揺らぐ視界には、うっすらと闇から色を取り戻しつつある白い夜空が見えた。

(…何やってんだ、俺は)

酒は受け付けない体質なのは知っていた。しかし、自分には学もコネもない。若さと、調子の良さだけが「ウリ」の自分には、水商売以外は思いつかなかった。
元より、真面目に働く気はあまりない。というよりも、そもそも真面目に生きて行く気もなかった。その日困らない食べ物、寝る場所があればいい。自分以外には何も期待しちゃいない。特に長生きも望んでいないし、自分に長く生きて欲しいと思ってくれる家族も知人もいやしないのだから。

「…きもちわりぃ」

客の女達に同情はしない。彼女らはいわば自分と同じ、真っ当な世の中に辟易している、馬鹿な事をして自分の居場所をひっくり返したいと思っている。…或いは、どうしようもない淋しさを抱えている。
承知の上だ、何もかも。だからこそ馬鹿みたいに酒を呑み、甘い言葉を欲しがる。その時、満たされればかまわない。
わかっていて、傷を舐め合う。何より、彼女たちに食わせてもらっているようなものだ。
だから、何だって返すつもりだ。言葉も、抱擁も、愛も。店長に言わせれば、自分はこの仕事に向いているらしい。その言葉も、少なからずは自尊心をくすぐるというものだ。

それでも、それでもこうして我慢できなくなって何もかも吐きだした後、残るのは虚しさだけだった。
金はいくらあっても邪魔にはならない。上手いものも食べたし、高価な服も時計も車も、それなりに手に入れた。それでも、虚しい。もっと、満たされるものだと思っていたのに。

「…ねぇ」

初めは空耳かと思った。こんな時間に聞こえる声ではない。自分に連れはいないし、何より夜の住人とは得てして礼儀正しいものだ。不躾に声を掛けたりはしない、余程のことが無い限りは空気を読む。

「ねぇ、生きているの?それとも死んでいるの?」

まるで、綺麗な水のようだと思った。山の上の方の、掬ったらすぐ飲めるような清涼な水。

「…生きてるよ、死んでちゃ君が困るだろ」

重たい体を起して、声の方を見上げる。それは妙な光景だった。もう夜明けにも近い時間、一人の少女が突っ立ってこちらを見ていた。きちんとコートを着こみ、温かそうなマフラーを首に巻いて。胸元まで伸びたまっすぐな黒髪が印象的だった。
様子からして、夜遊びに興じる娘とはかけ離れている。どちらかと言えば、その逆だった。何と表現しただろうか。

(しんそうの、なんちゃらっていう)

「は、…こんな時間にこんなかわいい子に会えるなんてね。運が良いのか、それとも夢かな?」

商売柄、こう言った言葉を口にするのは最早習慣だ。しかし、彼女には意味が通じないのか、それとも見下げているのか、口元も、目元すら動かさなかった。

「あんまりたくさん吐いているから、もう死んでしまったかと思った」

平然とそんな言葉を口にして、さりさりと冷たい土を踏みしめ、彼女は自分に近付く。匂いがしたのか、形の良い眉を顰めて。
それから、巻いていたマフラーを外し、自分の首元に巻いた。それはごく自然な動きで違和感も何もなかった。
ふわりと、温もりが体に触れる。

「上等のマフラーがゲロまみれになっちゃうんだけど?」
「かまわない。アナタなんてコートも着ていないんだから寒いでしょ?」
「かわいい上にマフラーまでくれるなんてまるで天使だね」

軽口を叩きながらも遅まきながら疑問がわき上がってくる。この少女(と言っても、近付いて見るとそれほど年は変わらないようだ)は自分が怖くないのだろうか。それとも野良犬を憐れむような感じでマフラーをくれてやったとでも言うのか。
そもそも、ここに何故いるのか。ここはただの公園だが、こんな時間にこんな女がここにいるのはやはりおかしい。

「…人間が、天使になんてなれるわけない」
「でも、君みたいな優しい子は、まるで天使みたいだ」
「バカじゃないの」

彼女は、今度こそ不機嫌そうに顔を顰め、着ているコートも脱いで投げつけてきた。この真冬の、深夜にだ。

「おい、ちょっと…!」
「それもあげる。毛布の代わりくらいにはなるでしょ」
「って、お前が風邪ひくだろ!」
「風邪なんかひかないわよ、天使だから」
「おいっ…!」

せせら笑い、寒々しいワンピース一枚の彼女はスカートをひらめかせるみたいにくるりと回った。

「…私、悪い子になりにきたの」
「はぁ?」
「だから、マフラーもコートもいらない。風邪をひくというならひけばいい。そのまま天使になっちゃうならそれでもちっともかまわない」

夜風が舞う。吹き上げられた彼女の髪は、白闇の中で黒く輝いた。

「もしかしたらアナタは悪い人かと思ったんだけど、ダメね」

振り向いてわらう彼女の顔に、うっすらと光が滲んだ、気がした。複雑な笑顔。それは嬉しいのか悲しいのか淋しいのかわからない。

「優しい人じゃ、ダメなの」

ただ、文句なしに美しかったのはわかった。そして、ひどく、自分の心を打ったのも。


淡く白い光が横から差し込むのを感じた。街中のあちこちが目を醒ます光。
そして、その光は自分の心にも届いたのだ、僅かに、でも確かに。



****



「…とまぁ、そこでお父さんとお母さんは出会って、何やかんやあって結婚して、夏生ちゃんが生まれたってことなんだよねーはいめでたしめでたし」
「だーかーらー!その何やんかんやが大事なんじゃーん!お父さんの話はいっつも出会った時ばっかり!」

ぶうぶうとほっぺたを膨らませて怒る娘に、俺は笑って誤魔化し、おでこをピコンと弾く。

「ほら、良い子はもう寝なさい。明日から学校だろ?新学期から遅刻したらカッコ悪いぞー?」

娘の夏生は本当に生まれた時から天使のように可愛らしく、そして今もまだ俺とあの人の天使である。
勉強は苦手だけど(まぁ、これは俺の子だから高望みは出来ない)、運動や音楽は得意だった。そしてとびきり愛らしく、うつくしい(これはあの人に似ているから当然と言える)。

「ねーお父さんはさ、お母さんが好きってすぐにわかったの?そういうのすぐにわかるものなの?」
「すぐにわかったね。でもま、そりゃあ人それぞれだな」
「ふーん、楽しみだなー」
「そうだな」

いつか、この子も出会うのだろうか。俺が、あの人に会ったみたいに?
そうであればいいと思う。でもあれ程運命的な出会いはそうそうないだろうとも思う。

「出会ったらケッコンだもんねー!わかるかなー?だいじょうぶかなー?」
「はいはい、ダイジョウブだって。だから早く寝なさい」

あまり夜更かしさせるとあの人に怒られる。あの人と同じでこの子も朝起きるのが苦手だから。
パジャマ姿の娘に腕を広げ、おやすみのハグをした。




そんで娘は春の終わりごろ、階段から落ちて運命的な出会いをするわけです(笑)
で、あの人とは出会った女の子で夏生のお母さんですが、何か死んだみたいになってますがちゃんといます。
ただお仕事をしているのがお母さんだというだけです。
 

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