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お返事と妄想自堕落日記
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薬を飲んだお陰か、痛みは治まったけど、物凄い寝てしまった。普通の市販の薬なんだけどな、寝る前に飲んだからかな。

そして、↑の記事の件でご意見下さいました方、ありがとうございます。参考にさせて頂きますね^^取り急ぎお返事まで。


昨日やっとこGOROEDを見ました。やっぱり…姫子にしろGOROにしろ花椿EDは不思議ですね…(笑)
今はみずきちゃんED目指してテニス部入って、ときどきお供してます。なんか、気になってたんだ、この子…(笑)こういうわがままお嬢さまちっくな子は大好きです。ていうか、女の子は大概好きだぜ!(←
それにしてもみずきと色さまがカップルになったら…なんか、凄そうだなw凡人には理解できないカップルw


さてさて続きは例のアレですよ、アイツですよ。今回はお食事中の方は読まない方がよろしいです、お願いします。
でも、ノリノリで書いてたら、こいつすげー可哀そうになってきた、そしてかわいくなってきた(笑)










それから、どうやって家に帰りついたか、あまり記憶はない。

「…ぇ、げぇっ…は…!」

酷い匂いと、情けなさと、怒りと。とにかく色んなものが渦巻いて、止まらなくて、動けない。しばらく公園のトイレから出る事は出来なかった。
こんな時でも、道端で酔っ払いにみたいに吐くなんて、そんな真似だけはしたくないと思えるのが滑稽だった。

「ちょっと、ユウ!?帰ってきたら『ただいま』くらい言いなさい?ご飯、出来てるわよ?」
「…いらねぇ」
「ねぇ、聞いてるの?それから、遅くなるなら連絡くらい…」
「うるせぇ!いらねぇっつってんだよ、クソババァ!!」

母が何か喚き散らしているのも無視して、力任せに部屋のドアを叩き締める。口の中は酸っぱいし、胃は何度も吐いたせいか、引き攣れて痛い。頭もガンガンする。最悪の気分だ。荷物はそのまま投げ出して、崩れるみたいにして床に転がる。もう何も考えたくない。何もかも終わった、何もかも。

――藤枝くんが、好きだって思う子でないと、ダメだよ。

「……ざけんなよ」

だから、お前だったんだろ。ずっとずっと、お前しか好きじゃなかった。あんな風に、歩いて、話して、楽しくて、ドキドキしたのはお前だけだった。
あぁ、忌々しい。こんなになってもまだ、あいつの声を、顔を思い出そうとする。何も、考えたくないって、言ってるだろ。どうにもならないと知っていてまだ、縋るみたいに思い出すなんて、どこまで情けないんだよ。

…どれくらい、そうやって床に寝転がっていただろう。意識が飛んだというか、少し寝たらしい。変な体勢だったせいで、置きあがろうとすると体中が痛い。喉はひりひりと焼けつくようだった。

ふと、机の下に置いてある箱が見えて、手を伸ばす。体を起こして、それを開けた。昔、両親が整理整頓出来るようにと買ってくれたプラケースだった。そこには、小さなウサギだかイヌだかのぬいぐるみや、飾りの付いたヘアゴムやら、とにかくこまごましたものが入っている。小さな幼馴染の持ち物。あいつと俺を、繋ぎとめると信じていたもの。
一つ一つ、手にとっては、またそこに直した。いくら好きだったからって、俺、取り過ぎてやしないかと、変に冷静に考えたりする。「かえして」と言っても返してやらなかった。

(…バカだな、俺)

こんな事してるから、今日みたいな事になったんじゃないか。どうせダメなら、もっと素直に優しくしてやれば良かった。泣き顔は好きだったけど、泣かせたかったわけじゃなかったのに。

かさりと、皺の付いた封筒が指に触れる。…俺が唯一、あいつにもらったもの。熱出して寝込んでた時にくれた手紙だ。心配してくれてるんだと、浮ついた気持ちになったっけ。嬉しくて嬉しくて、俺は手紙をあろうことか握りしめて寝て、そのせいでくしゃくしゃにしてしまった。後から母親が一生懸命伸ばしてくれたけど、結局皺は消えなかった。
中身を開けようかと思って、やめる。開けなくったって何て書いてあるかは今でも憶えていた。もう、何度も読んだから。何度も読んで、丸々暗記して、思い出すたびに幸せになれた。本当、ガキだった。

『ゆぅくん、ねつは 大じょうぶですか? くるしくないですか?ゆぅくんが 学校にいないと みんなさびしそうです。 わたしも さびしいです。早く 元気になってね。 元気になったらまた』

あそぼうね、の、ところまで思い出して、目の前が揺れた。鼻の奥がつんとする。違う、吐き気じゃない。
必死で口元を抑えて嗚咽を噛み殺した。泣いているなんて、家族の誰にも知られたくない。

――ゆぅくんは、ちょっと怖いけど、大切な幼馴染なの。

バカだ、本当に。会った瞬間からわかっていたのに。でも、どうしても認めたくなくて。ずっと近くにいた女の子が、好きだと思っていた子が、横から知らない奴に掻っ攫われるようなのが悔しくて…こわくて。

あれほど待ち望んでいた再会が、失恋する為だなんて、どうしても信じたくなかった。

――お前のことが、きらいだからだよ。

違う。いつも怖くて、本当の事が言えなかった。あんな風に、終わらせたかったわけじゃないんだ。
本当は…、本当は、俺は、どうしたかった?嘘をついて、脅して縛り付けて、理不尽な怒りをぶつけて。そんな事か。

――自分の気持ちに、嘘はつきたくない。

「…………」

まだ、間にあうだろうか。いや、突っぱねられても仕方ない、それくらい、酷い事をした。わかってる。
それでも、このまま終わりたくない。




次の週、俺は羽ヶ崎学園に来ていた。何となく周りからじろじろ見られつつも、誰にも止められることなく中に入れた。まっすぐに野球部の練習しているグラウンドを目指す。さよは、今日は花屋のバイトのはずだから、もう帰っているはずだ。

さよには、まだ何も言っていない。その前に、会って話をしたい奴がいた。初めは迷ったが、もう今更だ。俺は落ちるとこまで落ちたんだから、今更恐れるものもない。

しかし、そうは言っても、簡単に相手は見つからなかった。背が高いからすぐわかるかと思ったけど、それらしい面影は見当たらない。

「あのぉ…」
「え?」

後ろから、声を掛けられてふりむくと、そこには一人の女生徒が立っていた。警戒心はまるで隠そうとも思わないらしい。思い切り不審者を見る目で俺を見る。
こいつには、見覚えがある。確か、野球部のもう一人の。

「何か、御用ですか?」
「あ、あぁ。志波と話したい事があって。会わせてほしい」
「話すって何をですか?」
「は?何って?」

何て面倒な事を聞いてくる女だ。一発殴ってやりたいと早くもいらついたが、まさかそんな事は出来ない。それこそ俺はどうしようも無いところまで堕ちるじゃないか。恋愛だけで充分だ。
けれど、何を、と聞かれて正直に答えられるものでもないし…と、ジリジリしているところへ。

「どうした?」
「あ、志波先輩…」

(志波…)

日に焼けたように黒い肌に、一際デカい身長。すごい選手だって、うちの野球部でも話はもちきりだった。
こいつが、さよの好きな男。
志波は、俺を見て初めは訝しげな目を向けていたが、途中で気が付いたらしい。後輩らしいマネージャーを「大丈夫だから」と宥めて、俺を「こっちに」と促した。

「ここじゃ目立つからな。…場所、変えてもいいか」
「あぁ…」

正直、悔しいけれど、俺はあいつの威圧感に完全に押されてた。何だろう、特別睨まれてるわけでもないけど、…それとも、後ろめたいことがあるからそう感じるのだろうか。

グラウンドから少し離れた所は、ちょうど周りからは見えなくて人もいない。話をするにはうってつけだが、もしここで殴られでもしても誰も助けに来てくれなさそうだなと思う。

「それで、何だ」

志波は低い声で言った。

「あ…ぇっと。練習中に、悪かったな、急に」
「いや。…丁度、キリのいい所だったし。…それに、お前とは、俺も話したいと思ってた」
「…え」
「お前、あいつに何を言ったんだ」

途端、ただの低い声に、凄味が加わった気がした。明らかに、怒りを孕んだ声。

「そ、れは…」
「幼馴染なんだと、そう聞いた。…正確には、それしか言わなかった。久しぶりに会って、ちょっと話をしただけだって。…でも、悪いがそうは思えない」

志波は、まっすぐに俺を見据える。それはそうだ、あいつに怯む理由などない。怖い。こんな奴と、うちの野球部は試合してたのか?

「例え、お前があいつの幼馴染だとしても、あいつに何かしたっていうなら、許さない」
「ま…待て!それについては、謝る!今日は、それもあって来たんだ」

はっきり言って、俺のやろうとしている事は、情けないことこの上ない。こんな事は男の恥だ。以前の俺なら出来なかっただろう。だけど、今はそんな事言ってられない。このまま、俺は終われないんだ、…終わりたくない。

「俺は…、そうだよ。あいつとは幼馴染だ。ガキの頃から一緒で…それで、ずっとあいつが好きだったんだ」
「………え」

志波は、毒気を抜かれたように目を丸くする。

「あいつは、小5の時かな…それくらいの時、引っ越して。…まぁ、あいつの家も色々あって急に決まってさ。それから、俺も今のところに越したけど、ずっと、会いたかったんだ。ガキだから、自分で探せなかったけど、それでも、いつか会えるって…バカみたいな話だけど、そう、信じてて。それで、あの時、会えた。もう一度」

お前には、わからないだろうな、と、自嘲的に思う。あの時の俺の喜びと、失望と。

「…俺は、どうしてもあいつを…、もう、離したくないって思った。ただ、再会を喜んで、じゃあまたね、なんて、そんなの冗談じゃないって思った。だから…無理やり付き合えって迫ったんだ。脅しつけてさ。…何て言ったかは、お前には言えない。言わないのは、あいつの為だよ、わかってほしい」

志波は黙っていた。突然殴りかかられてもおかしくないと、内心身構えていたが、そういう事はなさそうだった。
沈黙は、そのまま先を促されているようで、俺は話を続けた。

「…それで、しばらくは週末会ったりとか、したけど。…結局ダメだった。俺も、どこかでは気付いてたけど、言いだせなかった。言ったら、あいつとはもう終わりだって、思ってたから…。終わらせたのは、さよだよ。こんな事はやめよう、って。やっぱり付き合えないって、言われた。先週」
「…そう、だったのか」

どこか、ほっとしたような顔をして、志波は息を吐くように言った。
自分の惚れた女が惚れているに男に、こんな話をすると言うのは、もっと屈辱的な思いをするかと思ったが、そうでもなかった。相手が、こいつだからかもしれない。
だけど、話はこれで終わりじゃない。それは、志波もそう思っているらしい。俺は、一度、深呼吸をした。

「酷い事したって、後悔してる。…いつも、そうだけどさ。先週別れた時の事も、ちゃんと、謝りたいんだ」
「…なら、何故俺のところに来た。謝るなら、相手が違う」
「わかってる。…その前に、頼みにきたんだ、お前に」
「……俺に?何を?」
「もう一度…、もう一度だけ、週末さよを誘う。…あ!もちろん、変な事は考えてない!だけど…だけど、もう一度だけ、チャンスが欲しいんだ。だから、もう一度だけ、さよと二人で会うのを許してほしい。…これで、最後だから」
「…どうして、そんな事を俺に」

それは、お前がさよの好きな男だからだ。でも、それは理由になるのだろうか、自分でもその辺りはわからない。

「誰かに話して、自分でも覚悟したかったのかもしれない。…俺は、あいつに、何も、伝えられてないから」
「…随分、虫の良い話じゃないか、それは」

志波は、何となく苦々しい顔をして、俺を見下ろしていた。
そりゃ、そうだ。振られたのに、まだそれでも諦められないから、もう一度チャンスをくれだなんて。じゃんけんで何度負けても「もう一回」と言ってるのと同じことだ。

「そうかもしれない。…でも、あいつの気持ちを振り向かせたいとか、もう、そういうんじゃないんだ。結果は、見えてるしさ。お前が良いって言ったって、あいつが嫌だって言えばそれまでだし」
「それはない」
「…何でそんなの、お前にわかるんだよ」
「ここ最近、ぼーっとしてるのは…間違ってなきゃ、お前の事だ。その、先週の事を、たぶんあいつも気にしてる。だから、お前がもう一度会いたいと言えば、あいつは会うと思う。…そういう奴だ」

志波は、口調は穏やかだったが、表情は一層苦しげに眉を顰めた。そして、初めて、俺から目を逸らした。

「…好きなようにすればいい。俺にはお前のやる事に口を挟む権利があるとは思えねぇし。…それに、行くなって言ったって、行くだろ?」
「お、俺は…!」
「俺ならそうする」

返って来た言葉に、俺が驚く番だった。もっと、余裕を見せつけられると覚悟してたのに。

「二人で会うなんて、正直気が気じゃないが、こんな事、わざわざ俺に知らせにくるくらいだからな。信じる」
「…あ、ありがとう」
「…礼を言うなら、一つ教えてくれ。…あいつは何で、お前とは付き合えないって言ったんだ」

不思議だけれど、そう聞いてくる志波は、まるでもう一人の自分のように一瞬思えた。…もちろん、立場も何も、全然違うし、俺の方がずっとタチが悪いのは自覚あるけど。
正直、何て言えばいいのか、迷った。今、この瞬間だけ、俺の方が少しだけ優位だ。俺の言葉如何によって、志波はきっと迷うだろうし、あるいは勘違いでもするかもしれない。
そこまで、考えて、俺は笑った。まだそんな事を考えるなんて、俺も大概諦めの悪いやつだ。

「…?何、笑ってる?」
「あ、いや、悪い。違う。お前を笑ったわけじゃなくて…俺、お前のこと正直大嫌いだったけど、今、そうでもないなって思っただけ」
「俺だって、殴ってやりたいってずっと思ってた。今でも嫌いだ。幼馴染なんて、冗談じゃねぇ」
「はは…だろうな。…理由は、悪いけど俺も知らない。教えてくれなかった。ただ、幼馴染としか思えないって言われただけ」

『やっぱり、志波くんが好き』
それは、お前がちゃんと伝えるんだろう、いつか。だから、せめて俺は何も言わないでおくよ。


幼馴染に出来るのは、そこまでだよな、きっと。







次回、やっとこ最終回!

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