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お返事と妄想自堕落日記
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 やっぱり真綾さんの歌はええのう…。
で、最近ときめもでない妄想ばかりしてますが、ときめもの事を忘れたわけではありません。GS3も超楽しみだよ!発売日には出来ないけど!

あれもこれもと熱しやすくてすみません。
 








『悪趣味な奴』


(はぁ…)

この間から、気分が重い。矢代くんから言われた言葉が、頭から離れない。
しかも、矢代くんの言う事はいちいち最もなので、これでイヤな子だと嫌われてしまっても文句も言えない。
自分でも、よくあんな事言ったと思うけど…、たぶん、必死だったんだろうな。私は自分が告白したわけでもないのに、勝手にあの女の子に自分を重ねていたんだ。
受け入れられなくても、その気持ち全部を否定するようなこと、言ってほしくなかった。

(って、本当、自分勝手な言い分だよね…)

彼にとっては迷惑な話だ。おまけに私はたまたま通りかかっただけの人間なのに。
溜息をつきながら、靴箱を開けて、上履きを取りだそうとして…手を止めた。かさり、と、紙の感触が指に当たる。

(…なぁに?)

取りだして見てみると、それは良く見る、どこにでもありそうな白い封筒だった。「雪原真優様」と黒いペンで名前だけ書かれている。私宛の手紙…みたいだけど。

「こんなの、誰が…」

流れで封筒を裏返して、差出人の名前を見た時、本当にぎょっとした。もしかしたら声を上げていたかもしれない。

「ど、どうして…!?」

あまりの事に、目の前が暗くなってきそうだ。どうしてどうして?そればかりが頭に浮かぶ。

「雪原さん、おはよー」
「きゃあぁ!」
「えっ、何!?そ、そんな驚くほど肩叩いたっけ?」

ぽん、と手を置いただけのクラスの子が、私の顔を覗き込んで綺麗に整えられた眉をきゅっとしかめた。

「雪原さん、顔色悪いけど、大丈夫?」
「あ、え、だ、だいじょう、ぶ…」
「ならいいけど。辛かったら保健室行きなよー!」

じゃあ、先行くねーと手を振って歩くクラスメイトに形だけは手を振り返しつつ、もう一度手紙を良く確認する。…うぅ、やっぱり見間違いじゃない。
そこには、筆圧の高そうなきっちりした字で「矢代航太」と書いてあった。



教室にはもう矢代くんが来てるかもしれない(よっぽど事情が無ければ、大体始業30分前には来てる)から、トイレの個室に籠って、そっと封筒を開けてみる。やっぱりどこにでもある、でもきちんとした便せんに書かれた文字は、読みやすい、綺麗な字だった。

「雪原真優 様

こんな手紙を突然送ることを、まず謝っておきます。それと、この間、酷い事を言った事も。
言い出したら色々キリがないので、用件だけ手短かに。

今日の放課後、体育館裏に来て下さい。話があります。本当はこの手紙で、と思ったんだけど、やっぱりちゃんと、直接伝えたいので。
もし、話なんてしたくないと思ったら、来てくれなくてもいいです。俺は学校が閉まって追い出されるまでは、待つつもりです。

それじゃ、また放課後。

矢代航太」


(は…果たし状だ…!)

真っ先にそう思ってしまった。いやいや、まさか。思い直してもう一度、頭から読んでみる。話って…何なんだろう。まさか、本当に果たし状なわけはないし。…この間って、きっと、あの時の事、だよね?じゃあ、それについてだろうか。

「…あ」

ぴん、ときた。もしかしたら、あの時の事を誰にも話さないで欲しいって、そういう話かもしれない。だとしたら教室では言いにくいから、こうして手紙で呼び出しているのかも。
そうだよね、ああいう事って、皆にわかっちゃったら恥ずかしいもんね。
やっと自分の中で納得出来る理由が見つかって、ほっとした。でも、同時に少しだけ淋しくなる。

(私、誰にも言ったりしないのにな…)

こんな、わざわざ手の込んだ事をしなくても、誰にも話したりしないのに。…そんなに信用ないんだろうか。

悪趣味な奴。

「…そっか」

そうだった。私は、黙って告白の現場を覗き見るような子だから。信用なんて、しているはずがないんだ。
わざとじゃ、ないのに。そう言ったら、また嫌な顔されるかな。
ううん、それ以前の問題だ。そんな、言い訳みたいな事ばっかり言うなんて。私、本当にどうしようもない。でも、矢代くんのことは、ほんの少しのことでも知りたい、って思ってしまうから。

手の中にある手紙をもう一度見てから、丁寧に折りたたんで封筒に直した。どんな手紙でも、矢代くんからもらった物なら、私にとっては宝物だ。だって、「雪原真優様」って、私の名前、書いてくれたんだよ。



嬉しいはずなのに、胸が痛い気がする。
とにかく放課後は、怖いけど、矢代くんに会いにいこう。






あれ?今日で終わらなかった。次こそ!

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