お返事と妄想自堕落日記
何やら無性に書きたくなった。んでリク頂いたので書く。
ちょいオリジナル。ってかほとんどオリジナル。琴子とびすたのご主人が、出会った~。
あ、素敵サイト様からリンク報告頂きました。ありがとうございます。ちょっと今サイトいじってる時間がないのですが、お許しいただけたらこちらの方でご紹介できたらと思います♪
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【ざしきわらし】
――…ねぇ、ご存じ?
思い出されるのは頭痛がしそうな香の匂い。真っ赤な口紅に猫撫で声で囁かれる噂話。
曰く、藤津川嬢の結婚とは悲劇である、という話だ。
彼女は金の為に結婚させられたのだという。身分制度は無くなった昨今、名実伴わない華族や士族が名と引き換えに成金と手を組むことなど今時珍しくもない。だが、珍しくもないと言われることが実際起きてみるとそれはやはり珍しく人々の好機の的になるらしかった。
「しかしまぁ、赤城家ってのも中々思い切った事をしたよなぁ」
「金があるんだから自由だろ。お陰でお前のところの会社にも金を出して貰える」
「まぁ、それはそうだけどね」
俺の隣でローストビーフをつまみながら酒を飲むのは俺の担当の編集者だ。こいつのところの出版社はとある華族が出資していたが、それが滞り、その代わりに赤城家が代わりに出資を名乗り出たのだった。飛ぶ鳥を落とす勢い、とは正にあの家の事を言うのだと、これももっぱらの噂だ。
「それでまぁ、こうしてその赤城さんにご挨拶に伺った次第ですけれどもね」
慇懃に言う担当は、口ばかりで動こうとしない。こいつはこういう夜会がある度にここぞとばかりに飲み食いする。手に持つグラスも、一体何杯目だろう。
「…お前、一体どれだけ食って飲むんだよ。挨拶するならさっさと済ませてくればいいだろ」
「ここで食っておかないと食えないものばっかりあるんだから仕方ない」
「…庶民根性丸出しだな」
「ふん、俺はお貴族サマじゃないからいいんだよ」
「…あほらしい。付き合ってられるか」
呆れ果ててそう言い放ち、俺はその場を離れた。どこへ行くのかという問いに、外へ、と答える。そもそも、俺はここへ来る必要はなかった。あの調子のいい担当に連れて来られただけだ。
「用が済んだら探しに来い。別に来なくてもいいけど」
「はいはい。お前もここでちゃんと食べておくんだよ。でなきゃびすたちゃんの手をまた煩わせることになるんだから!」
ひらひらと、手だけを振って外に出る。一気に喧騒が遠くなり、静かになった。心地良い、やっぱり何の音もしないほうがいい。
さすがに手入れの行き届いた庭園だったが、植物の匂いが夜の気配を感じさせた。青臭いような水っぽさを感じさせる匂いは、酒やらの匂いよりはずっと安らかで、健全だった。…日頃、不健全の象徴のように言われる俺が健全だとか言うのもおかしな話だが。
少し歩いていると、妙に小さな影がぴょこぴょこと動くのが見える。小さい、と言ってもそれは俺に比べれば小さいというだけで、ちゃんと人間の大きさだ。
…にしても、こんな子供みたいのが歩いているってのは一体どういうことだろう。まさか、こんな夜会に子供連れで来る莫迦はいないだろう。どこかから紛れてきたのか、それとも。
「…座敷童か」
「ふぇっ…」
その座敷童(と、今決めた)は生意気にも洋装を着込んでいた。一級の舶来品だろう生地でできた洋服に、これまた柔らかそうな生地の上着を羽織り、随分と立派な格好をした座敷童だ。どこぞの金持ちの娘のように見える座敷童は見開いた目でこっちをじっと見上げていた。
その目は、少しの疑いも、恐れも映してはいない。ただただ驚いているだけだ。
「おい、口を閉じろ。バカみたいに見えるぞ」
「…え、は、はい。ごめんなさい」
ぺこりと頭を下げた様子は子供っぽい仕草だが、無作法というわけではない。どうやら、ただの座敷童ではないらしかった。
「あの…あなたも、この会に出席されている方、ですか?」
「そうだったら、何だよ」
「えっと…ご挨拶しなきゃ、と思って」
(ご挨拶?)
こんな子供が、何で挨拶なんて。何も知らなさそうな、というより、何も知らなくていいような座敷童みたいな小娘が何を言うのだろう。くだらない、と俺は舌打ちした。
「お前みたいなガキに挨拶されて喜ぶ大人がどこにいるよ。ガキは帰ってさっさと寝ろ」
「わ、わたしはがきなんかじゃありません!」
「ガキだろ。ガキなんかじゃないって言うやつは大抵ガキなんだよ」
「…むぅぅ…」
返す言葉が見つからないらしい。座敷童はぷっくりと頬を膨らませただけだった。ふん、ざまあみろ。ガキ如きが大人の俺に敵うわけはない。
「…あなたって、意地悪ね。そんなヒドイ事を仰るなんて」
「ふん、いいか覚えとけ。大人ってのは大体皆意地悪なものなんだ」
「そうかしら?だって大地さんは優しいわ」
「知らねーよ、誰だよそれ」
「ふーんだ、内緒」
「……は?」
上等な格好をしている座敷童は口の両端を指で引っ張り「いーっ!」としてみせた。
「あなたみたいな意地悪な人には、教えてあげないっ!」
「……な…」
「それでは、ごきげんようっ!」
まるで「オトナ」みたいに服の裾をつまんでちょこんと礼をした座敷童は、そのまま脱兎の如く駆けて行ってしまった。後には、ただ静けさだけが残る。そして残された俺は、ただ立ち尽くすだけだった。
「…生意気な…座敷童のくせに」
俺に楯突くとは、子供の割には良い根性をしている。そこだけは認めてやろう。
(今度会ったらいじめてやる…)
大人の割には子供じみた決意を胸に秘める。でも、あれは座敷童だから、また会えるかどうかはわからないなと思った。
なんじゃこれ。しかし、書いてみてわかったけどこの二人は相性が悪いようですw
本当はもうちょっと続くけれど、今回はここまででギブ。初めの話がまるまる無駄になったし。
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