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お返事と妄想自堕落日記
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 ちょっと動くと疲れる…。気温よりも湿度にやられる。

我慢できなくてびすたちゃんの話を更新してしまった。久しぶりに書いたら何だかびすたちゃんが落ち付いてしまったよ。ご興味ある方はそっと覗いてみてください。


そして「つづき」にはこちらではお久しぶりの「暴まご」の話。そんなつもりはなかったのですが、勢いで新しい人を登場させてしまった。こうして自分の首を自分で締めていく私…。
今回は真優ちゃんはいません。


…ていうか、清々しいくらいにときめも関係ない妄想ばかりで申し訳ないです。
そういうわけなので、「なぁんだ、ときめもじゃないのかー」と思った方はスルーして下さいね。
 







「ヨウちゃん、スイカ食べるー?」
「…お、いいねぇ。食べる食べる」

風呂から上がると、2時間ドラマにくぎ付けになっている母親から声がかかった。風呂上がりにはビールを一杯と普段ならなるはずだが、実家では不思議とそういう気持ちにならない。

「航太は?あいつ食わねぇの」
「部屋に持ってったげて。…なんか、試験勉強みたいよ?」
「…へぇ」

しゃこしゃことスイカを食べながら、母はこっちを見もしない。…ま、これくらいの興味の薄さが、息子側にとっても気楽ではあるのだけど。

「…じゃ、ついでに勉強みてやるかなー」

…というのは、もちろん口実だ。出来の良い弟は、勉強はするが試験前だからといって必死になることもない。何をしているのか興味もあったし、久々に弟に構ってやりたいという気持ちもあった。


***


「…何しに来たんだよ」
「お兄ちゃんに向かって何て口のきき方ですか、お前は」

俺の顔を見た途端、開口一番コレだもんな。全く、かわいいったらない。

「何って、差し入れだよ。スイカ、食う?」

食べやすいように切り分けてあるスイカの盛ってある皿を見せると、航太は不機嫌そうな顔で、それでもとりあえず部屋の中には入れてくれた。…相変わらず物の少ない、殺風景な部屋だ。
皿の乗ったトレイを床に置き、そのままベッドに寄りかかって座ると、航太はぎょっとしたような顔でこっちを振り返る。おいおい、せめてスイカ食う時くらいは机じゃなくて俺と向き合ってくれよ。

「お前、何座ってんだよ」
「いーだろ、別に。お兄ちゃんとしては久しぶりに弟と話がしたいんだよ」
「俺は話す事なんてない」
「じゃーいいよ。一人でスイカ食うから。ってかさ、エロ本とかないの?俺ヒマなんだけど」
「っ、ねーよ!つか、あっても見せねぇし!」

バカか、とか、うぜぇ、とか、ぶちぶち言いながら、航太はスイカはしゃこしゃこと齧り始める。…つっても、俺には背を向けたままですが。
黙っていても、向こうから話しかけてくれる事はないので、スイカを食べてしまった俺は、航太の座っている勉強机を覗き込んだ。

「…んだよ、スイカ食ったなら出てけ」
「めずらし。お前がそんな必死に試験勉強なんてさ」
「別に必死じゃねぇし」

机に広げられているのは一冊のノート。それと、教科書、何冊かの参考書…、あぁ数学か。懐かしいなー。
ノートには几帳面な字で並んでいて、おまけに色ペンやらマーカーを使って読みやすいようにまとめられていた。…いや本当、こいつに代わりに企画書書いてほしいくらい。

「つか、エラく丁寧にまとめてんのな」

自分で見直す為に、というよりは、むしろ誰かに見せる為に書いている気がする。…そもそも、こいつがわざわざ試験勉強でこんな丁寧にノートにまとめるとは思えないし。
うるせぇほっとけ、と、取り合わない航太の態度に、ぴんと思い当たる。…だってさ、男が普段しない事をいそいそするっていうのはさ、大体動機は決まっているわけで。

「…もしかして、カノジョに見せてあげる、とか?」
「…っ」

ぎしりと、航太の動きがぎこちなく強張る。…え?マジで?ビンゴなの?
一瞬のうちに顔を赤くする弟を見て、にやにやと口元がゆるんでくる。いや、これは「面白い」ってのと「良かったな」って気持ちと半々ということで仕方ない。

「ひゃー、マジで!?赤飯炊かなきゃだろコレ!かあさーん!こうたがおめでたいよーー!!」
「黙れよ!うるっせぇな!しねっ、お前なんかしんでしまえっ!」

だから嫌だったのに、と、照れ臭さからか、ノートを閉じてしまった航太は、俺の肩を視界から消し去る勢いで押し、そのままベッドに寝転んでしまった。俺が部屋から出て行くまで不貞寝を決め込んだらしい。
…だがもちろん、こんな所で諦める俺じゃない。さっきまで航太が座っていた椅子に座って、あいつがさっき閉じてしまったノートを改めて見る。要点をまとめて、例題使って説明して…こりゃあ結構手間ヒマかかってんなぁ。

「…勝手に見んなよ」
「いやぁ、愛が籠ってるなと思って…」
「うるさい。マジでうぜぇお前」
「なぁ、どんな子?写メとかあんだろ?」
「…教えない」
「あー、なるほどこの子かー」
「…おい!だから勝手に見るなって!」

ぎゃいぎゃい怒鳴る航太を無視して、俺は机にあったあいつのケータイの待受け画面をしみじみと眺めていた。(カノジョ出来ると大体やるよな、コレ)何人か写り込んでいるけれど、たぶん、この真ん中の子だろうな。こっち向いて、控え目にだけど笑っている女の子。…へぇ、これはかわいいわ。
デジカメもびっくりな高画質の笑顔は、けれども目の前から消えてしまった。携帯電話を航太に奪い取られたせいだ。

「…いつまでも見てんなよ、気持ち悪ぃ」
「かわいいじゃん。その真ん中の子だろ?」

正直な感想を述べただけなのに、航太は、まるで害虫でも見るかのような目付きで俺を睨みつける。

「…絶対会わせねぇからな、このヘンタイが」
「お前…俺を何だと」
「黙れ、万年発情期男」

…まぁ、反論出来ないところがあれだけれども。だって、女の子といるのは楽しいじゃないか、イロイロと。
学生時代から今まで、現在進行中で割と楽しく「オツキアイ」してきている俺の事を、航太はケダモノか何かだと思っているらしい。

「お前ね、何か勘違いしてるみたいだけど、俺は最低限のルールは守ってんだからね?」
「当たり前だろ!つか、お前の事情なんかどうでもいいんだよ!俺には関係ない。ついでに雪原も関係ない」
「あ、ユキハラさんって言うんだ、その子。ヤダかわいい名字」
「…しまった…」
「名前はー?お兄ちゃん、雪原さんの名前が知りたいです!」
「誰が言うかよ、名字だって教えたくなかったのに」
「…じゃあいいよ。何かテキトーに呼ぶから。えっと、じゃあサヨちゃんで」
「真優だよ!誰だよ、さよって!」
「マユちゃんね。名前もかわいいなー」
「くっそ…!」

サヨちゃんってのは、この間お店で会った女の子。ああいう店には珍しいドジっ子属性な…まぁ、そんな事はいいや。
心ならずも色々バラされてしまった航太は、もう諦めたのか不貞腐れたように黙っている。あり?ちょっとイジメすぎたかな?気不味い沈黙が、殺風景な部屋に重苦しく圧し掛かってきてちょっと苦しい。

「…真優ちゃんて、数学苦手なんだ?…こういうのしてくれって頼んでくるタイプ?」
「違う。あいつは、そんなの頼んでこねーよ。…俺が勝手にやってんの」
「へーぇ…」

カノジョが出来たっていうのも驚いたけど、この弟の変わりように実は一番驚いている。こんな事、自分の時間を割いてまでしてやる奴じゃなかったよなぁ。
何つーか、もっとドライな性格なんだけどな。そりゃ、カノジョくらいいつか出来るだろうと思っていたけど。

「…かわいいなぁ」
「は?」
「真優ちゃん。俺も好きな感じだなー、デートしてくんないかな?」
「ふざけんな、コロスぞ」

(コウコウセイだなぁ…)

レンアイに年齢の話を持ち出すなんてのはナンセンスだけど。それにしてもやっぱり、こんな風に影響される恋っていうのは、俺からすれば懐かしい気もする。…いやいや、いつだって初恋のように恋するけどね、俺は。
けれど、ほら、どうしようもなく取り戻せないものっていうのも、あるわけで。そして、航太は今まさにかつて俺もあったかもしれない状況にあって。

「いやー…、あんまりかわいいとイジメたくなるからやめて」
「…は?意味わかんねーし。つかお前いつまでいんだよ、出てけ!」
「なんだよー!またしばらく会えないのにさー!このツンデレめ!」
「二度と戻ってこなくていいし。お前にデレた憶えねーし」




あーダメだ。面白すぎてニヤニヤが止まらない。
…とりあえず、しばらくはこのネタで遊べそうだ。






…何故こんな話になってしまったんだ。
本当は「今度の試験の範囲がむずかしいよぉ」としょんぼり真優ちゃんの為にいそいそと矢代がノートを作ってあげて「わぁーありがとうー!矢代くんってすごいねー!」って言ってもらえてほこほこする、という話だったのに、何だか余計な人が出てきた。
ヨウちゃんは洋平です。もう就職して社会人で、家も出ています。たまたま実家に帰ってきてた。
弟とは違って優男で女たらしです。弟は兄のこれまでの遍歴も何となく知っているので、真優ちゃんのことは冗談抜きで本気で会わせたくないらしいです。

姉でも兄でもどっちでも良かったんだけど、いつか会っちゃったら面白いだろうな、という理由で兄にしたのであった。(←

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