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お返事と妄想自堕落日記
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友達から借りた村上春樹の本読んでたら、面白くって気付いたら6時間くらいたってた。3時回ってた。目が痛くなったよ。面白かったからいいけど。長編で「もうやめようもうやめよう」と思いつつ最後まで読んでしまった。
村上さんの本は最近初めて読んで、今回は2作目でしたがやっぱり面白かったです。今のところハズレないなー。で、どうしてこの人の作品って海外で評価されるのかなぁというのをぼんやり考えた。けど、よくわからない。比喩の仕方とかかな?独特の言葉遊びみたいな。あとクラシック音楽に関する話が(例え話とかに)よく出てくるので個人的にその部分は興味深いです。





さてさて。誰にも頼まれない(というわけでもない笑)けど、びすたちゃんの続き。
もう一度念のため、これはただのお遊びですので「あれ?」と思ってもつっこまないでください。
本来のvistaはちゃんとしています。そして、うちはときメモサイトです。確か…そうだった(笑)

おまけに長いよ!すいまっせん!!イヤな人は見ちゃダメです!!








謎の失踪をした98さんの代わりにきた新しいメイド、びすたちゃん。
彼女との生活が始まり早数カ月。

俺の苛立ちは限界に来ていた。元々短気なせいもある、が、今回は我ながら耐えた方だ。俺はよくやった。
びすたちゃんは確かに「若くて」「かわいい」。そして「仕事もできる」。出来ることは、出来る。それは認めよう。
だが。


「ご主人さまぁ、ご主人さまぁ~…あぁっ!」

仕事部屋に入ってきたびすたちゃんは、持ってきたコーヒーをその辺に放り投げそうな勢い(実際にはそんな事はしない)で、テーブルに置いた途端、俺の方に詰め寄った。

「またこんなキケンなものを使ってお仕事されてたんですね!ダメですよー!危ないものは排除です!」
「アホか!これは万年筆だぞ。そして俺の商売道具だ。何度も言っただろうが」
「でも…尖っててあぶないです!もし刺さったりしたら…!」
「万年筆をどうやって自分に突き刺すんだ。そんな万に一つのキケンに関わってられるかバカバカしい」
「他のものではダメなのですか?クレヨンとか筆ペンとか…あ、じゃあびすたが代わりに原稿を書きます」
「んなモンで原稿書けるか!つかお前が書いても意味無いし、そんな手間かけてられん。締切なめんな」

このやり取りももう初日から何度もあったか。こいつは俺の身に降りかかる「かもしれない」危険について異様に神経質だ。この間なんて、「知らない人を家に入れるのはキケンです!」とか言って宅配便の荷物を受け取らずに返しやがった。確かにそういう輩に変装して入る強盗というのも世の中いなくはない。が、そんないつ起こるかわからない危険に怯えていては生活は成り立たない。しかし、びすたちゃんにはイマイチ納得いかないらしい。万年筆の使用も、俺が再三言って、しぶしぶ納得したのだった。

「あ、そうだご主人さま」
「何だ?」
「今朝、伺ったお買いものの件ですが…」
「何か問題でも?」
「いえ、本当にお買いものに行ってもいいかどうかもう一度確認を、と思いまして。行ってもいいですか?」
「さっさと行ってこい!買うものは全部メモしてやっただろ、それ持って早く行け!」
「そ、そんな怒らなくても…。あの、ご主人さまは本当にびすたのご主人さまですか?」
「…お前、それ嫌がらせか?それとも新手のジョークなのか?」
「だって、ご主人さまが、本当のびすたのご主人さまでなかったら、このお仕事は出来ません」
「だーかーらー!俺が!お前の主人だって言ってんだろうが!つか言わなくてもわかれ!そんくらい!」

「はぁい!では行ってきまーす!」と、こっちの苛立ちも気にする風でなく、びすたちゃんはお返事だけは元気よく部屋を出て行った。
残された俺はこめかみの辺りを抑えつつため息をつく。そう、ずっとこの調子なのだ。何でもまず「確認」。そして俺が頼んだ事以外は絶対にしない。してはいけないものだと思っているかの如く動かない。
「空気を読む」とか「察する」とか、そういう単語は彼女の辞書にはないらしい。
そのくせ仕事は遅いし、おまけに良く食うし良く眠る。あいつが来てからというもの食費が3割増しだ。更に言えば俺の苛立ち、及び生活上の手間は3割増しでは済まされない。

とはいえ、仕事が出来ないわけではない。その内容はきちんとしているし、上出来と言える。作ってくれた料理だって美味しいし、洗濯だって掃除だってとても丁寧だ。そうでなければとっくに追い返しているところだが。


びすたちゃんが部屋を出て行ってから、しばらく時間がたつ。そういえば妙に静かだ。外ははもう暗い。仕事に集中していたせいで気がつかなかった。

(…そういや今日、電話鳴らないな)

いつもは仕事の電話が1、2本入るのだが今日は一度も鳴らない。珍しい事があるものだなと思い、休憩がてら階下に降りた。仕事部屋には電話線を引けない為、うちの電話は階段のすぐ傍に置いてある。

「………」

階段を降りて行くと、電話台の前に膝を抱えて座っているびすたちゃんの姿が見えた。体育座りみたいな恰好で電話の前に座り込み眠っていた。そんな短いスカートで体育座りなんてしたらパンツ見えるだろ、と思ったがまぁ今はどうでもいい。というか、見ようが見えまいが俺はどうとも思わない。
時々こっくりと頭が揺れてそれと同時にツインテール(というらしい)の髪が揺れる。すやすやと健やかな寝息が廊下に静かに響いた。


『若くてかわいい子です。かわいがってやってくださいまし』


ふと、オヤジの言葉を思い出す。それから、ゆっくり近づいてみる。彼女は気付かず眠りこんだままだ。二つくくりにされて、胸元にかかる髪は柔らかそうだった。それに指を伸ばしかけて、やめた。そして、軽く息を吸い込む。


「……って寝てんな、このアホがぁぁぁぁああっ!!」
「ほぇぇっっ!な、何っ、何事ですかっ!?」
「何事かはてめぇの頭ん中だよ!お前、何、寝てんだ!つか、何かいっつも寝てんのな、お前!ちょっと目を離したら寝てるよな!」
「あ、ご主人さま。ええっといつもお電話かかってくるので、ここで電話番をしてたら眠くなっちゃって…」
「ちょ、しかもお前、電話線抜いてんじゃねぇか!この時点で電話番じゃねぇだろ、既に!」
「えぇ~…だって、何だかうるさくて寝れな…いえ、ご主人さまのお仕事の邪魔になると思って…」
「今、お前自分の都合言いかけたよね?もういっそ俺が眠らせてやろうか、永久に!」
「きゃああああ!!た、助けて!イヤラシイ事されるー!!」
「してたまるか!あああもう、どけ!こんなのやってられっか!」
「どうするんですか?」
「電話だ、電話!!あの詐欺オヤジ、文句言ってやる!」


引っこ抜かれた電話線を差し込み、受話器を取って力任せにプッシュボタンを押していく。もう我慢ならない。
何が「イチオシ」で「俺にピッタリ」だ。ふざけやがって。そもそも俺はメイドにはそういうものは一切期待していない。そんなのどっかの変態が妄想してればいいことだ。どんなに若くてかわいくてミニスカートでパンツが水玉模様であったとしても(さっき見えた)、仕事が出来なきゃ意味はない。

イライラしながら、一体どんな文句を言ってやろうかと煮え立つ頭で考えていたのだが、一向に繋がらない。
まさか俺にこんな出来そこないメイドを押しつけてトンズラしたんじゃねぇだろうな、あの変態クソオヤジ。

「くそっ、まさか定休日じゃねぇよな」
「あの…ご主人さま」
「何だよ」
「差し出がましいとは思いますが…たぶん、今は繋がりにくいと思います」
「…どうして?」

びすたちゃんの言葉に思わず俺は振り返る。それはいつもと違うしょんぼりとした声で、そして声だけでなく俯いて、落ち込んでいた。両耳の横にあるツインテールも何だか元気がない風に見える。
初めて見た姿に、俺の怒りもいくらか冷め、その分落ち着きを取り戻した。何か理由を知っているらしい。

「実は…もうすぐ新しい「セブン」ちゃんという子がうちの組合にやってくるんですけど、その子がまた凄く仕事が出来るって前評判が高くて、オジサンも上機嫌なんです。あの「XP」さんより出来るんだって…その予約の電話が込んでいるんだと思います」
「…それはお前の評判だったろ?見事に騙されたけどな」

そう言うと、びすたちゃんはますます肩をすぼめて小さくなった。「…ごめんなさい」と小さく聞こえた気がした。
どんなに怒鳴ったって、謝った事なんか無かったくせに。

「わたし…私は、もう何も言われません。初めは皆さんからも期待されて嬉しかったけれど…でも、そのうち皆さん「やっぱりXPさんの方が良かった」って仰って…それで、どこ行っても返されて、私…。私の名前なんて、もうオジサンだって忘れちゃってます、きっと」
「………」

つまり、そうして何度目かに「返された」びすたちゃんは、98さんしか知らない俺に回されたってわけか。98さんには長くお世話になっていたから俺は「XP」さんも他のメイドも知らない。オヤジにとっては厄介者のびすたちゃんを回すのには丁度いいカモだったってわけだ。
何という、厄介払いに当たっちまったんだ。俺は自分の運の良さにため息も出ない。

びすたちゃんは一度だけ、ふるんと首を振ってから顔をあげる。いつもの、とは言い難かったが笑顔には違いなかった。見ていても、あまり良い気分にはなれない。何でそんな顔するんだ。俺が悪いみたいじゃねぇか。
どう考えても100%お前のせいなのに、どうして俺がこんな気分にならなきゃいけないんだ、胸くそ悪い。

「で、でも!それを決めるのはもちろんご主人さまの自由ですから。何だったら、私がオジサンに「セブン」ちゃんに優先的に来てもらえるようにお願いしますよ?そ、それくらいは役に立たないと…」
「…おい。何でそんな話になってんだ」
「え?だ、だって、オジサンに電話って、私を返すって話なんでしょう?」
「誰がそんな事言った」

言い放ち、俺は受話器を放り投げた。ガチャンと、冷たい音が何かを断ち切るように響く。
びすたちゃんはわけがわからない、といった表情で俺を見上げた。
そうだろうな。俺だって、わけがわからない。

「評判の割にはドンクサイって一言文句言ってやろうと思っただけだ。でも繋がらないならもういい。俺は無駄な事に時間を割くのは嫌いでね」
「じゃ、じゃあ…」
「その「セブン」ちゃんとやらが来るのだって時間がかかるだろうし…第一、あのクソオヤジの言うことだからな。信じられるか。やっとお前に慣れてきたのに、また新しいメイドが来て、その上またどうしようもない欠陥メイドだったらどうしてくれんだ」

仕事は遅いし、居眠りはするし、良く食うし。やたらと「ご主人さまご主人さま」ってうるせぇし。全く持って厄介だ。スムーズで快適な生活とは言い難い日々。こんな毎日を俺は予想もしていなければ望んでもいなかった。

けれども不思議とそれをやめようという結論は俺の中には無いのだった。
もういちど、びすたちゃんの方を見る。ただただ一心に俺を見る目。あまりにも真っ直ぐすぎる視線に、舌打ちしたい気分になった。というか、実際に舌打ちした。

「…くそ。だから俺はメイドにはそういうの求めちゃいないってのに…」
「?何の事ですか?」
「何でもない。…おら、わかったならさっさと仕事しろ。腹減った、飯作ってくれ。今日は中華で。すごく辛いやつ」
「はーい!ご主人さま!」



これからしばらく、こいつとの毎日が続いていくのだろう。
騒がしくて苛々する、けれども他では代われない日々。






終わっとけ!

ご主人さまの口調がとても悪くて楽しかったです。ほらね、ときメモのメンズたちはみんな優しくて、あんまり酷い事言わないじゃないですか。びすたちゃんのご主人さまは絶対口が悪い奴!と決めていた。そこは譲れなかった。(どうでもいい)

思わぬところからやってみた擬人化。意外と楽しかったです。うん、これは皆ハマるな!(笑)
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