どこにいても、キミを見つける。

とある方のブログに

「今日は色んなサイトで『閉鎖した』ってあって、すっごい凹んだ！あたし傷ついた！ばかぁっ！」

って書かれていて（実際はこんなバカみたいな文面ではありませんが）、別に思い当たる節があるわけじゃないけど（だってそれってとんだ勘違いだと思うんだ。高慢甚だしいと思うんだ）、でも何となく気になるし、いやでもアレだよ？別にそれを意識してとかじゃないよ？「志波主ください」と書いてあったからとかじゃないよ？とか何やかんや思ったのですが。

とりあえず、さよにゃん最終回をお届けします。


…って、またこれ自分だけが楽しいという…。

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雨が降る。


（…うう、寒いよぉ）


公園の遊具の中に隠れながら空を見上げる。
灰色の空からは、水滴がいっぱい降ってきて、どこもかしこもぐっしょり濡れていた。私だって、体中雨と泥でべたべただ。

にゃぁん、と一声鳴いてみた。でもそれは雨音にかき消されてすぐになくなってしまう。それで余計に不安になって悲しくなって、小さく背中を丸めることしか出来ない。

こんなはずじゃなかった。
今日は良いお天気で、珍しく外に出してもらって、お日さまの光が気持ち良くてついたくさん歩いたのだ。
気が付いたらどこにいるのかわからなくなって、それでウロウロしているうちに雨が降ってきて。思いのほか雨足が強くて。
ここに逃げ込むのが精いっぱいだった。


（遠くに行っちゃダメだって言われてたのに）


どうしよう、志波くん怒ってるかな。それよりも、私は志波くんの所に帰れるのかな。
もう会えないかもしれない。このまま忘れられちゃうかもしれない。


（…やだ）


体が冷え切って、何だか寒いのか何なのかよくわからない。眠い。こういう時眠いのって、あんまり良くないんだっけ？


「…しばくん」


志波くんに会いたい。
志波くんに笑いかけてほしいし、名前を呼んでほしいし、頭も撫でてほしい。
ちょっと恥ずかしかったけど、ぎゅうってされるのも好きだった。あと一緒のお布団で寝るのも。

それに、一番大切な事が抜けてる。
私、まだ何も伝えられてないよ。「好き」ってちゃんと言えてないんだ。

だから、志波くんに会いたい。





「…おい」
「…ん、にゃ…」
「おい、起きろ」
「え…？あれ…？」


いつの間にか閉じていた目を開けると、そこには見慣れた人がこっちを覗き込んでいた。
いつものように、不機嫌そうな顔で。
…いつものように？ううん、少しだけ違う？


「し、志波くん、どうして…」
「それはこっちの台詞だ。こんな所でどうして寝てるんだ。…しかもこんなに濡れて」
「え？…で、でも」


呆れたように言う志波くんを、私は思わずまじまじと見返してしまった。だって、そんな風に言うけれど。
ざあざあと、雨の音がする。でもそれは志波くんに遮られてひどく遠く聞こえた。


「…志波くん、傘持ってなかったの？どうしてそんな濡れてるの？」
「……さぁな」
「あ、ごめんね。ちょっと詰めるね、そうしたら志波くんもココ入れる…」


そうして動こうとするのを腕を掴んで止められる。
そして、そのまま引っ張られた。…志波くんのいる方に。

雨の音が、また遠ざかる。
代わりに聞こえるのは、心臓の音。静かで、規則正しい。


「しば、くん」
「良かった、見つかって。…心配した」
「心配、って、…どうして？」
「…よくわからねぇ…でも」


背中に触れる腕に、さっきよりも強く力が込められた。


「…俺は、お前を探していたんだと思う」





雨は、まだ降り続いている。

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意外にしっとりと終わってしまった、さよにゃん編でございました。
ていうかさ、もう連載の方、いらなくね？これで終わりで良くね？（笑）