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お返事と妄想自堕落日記
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VD終わると何だかもう夏ぐらいまで何もイベントが無い気がする…。

甘いお話(アレを甘いと言い張る)を書くと、こう、めっちゃくちゃ重い暗い話を書きたくなるのは何故なのか。
でも具体的には何も思い浮かばない(←

最近、ぎんたまにハマった友達が、アニメ放送がそろそろ終わるという事実にショックを受けておられました。「わたし…これから一体何を楽しみに生きていけばいいの…!」ってアンタどんだけハマってんだよマダオに。
確かに終わっちゃうのは淋しいけど、原作はまだ続くんだろうし(知らんけど)また復活するかもしんないよ!今回も終わる終わる詐欺かもしんないよ!って…思ったけど、どこまで踏み込んで話をすればいいのか非常にデリケートなところなので「そうだねぇ、でも映画があるって言ってたじゃん」と、無難なところでお茶を濁しておきました…。
まーでも、今度こそ終わりそうな気がするな…。

あ、それと私信!オリジナルでも全然滾りますよ、F川さん!!間違い無く私は萌えているのでご心配なく!
私はむしろ尊敬マスターさんのオリジナルというのはとても興味があります。あります。(二度言った)

さて、「つづき」はVD小ネタ救済針主。…あ、これは重くも暗くもないですよ?
だからと言って甘くも明るくも無い、何もない、明日も見えない。










「……ありえねぇ」

2月14日、もう夜も更けて、残すところ後3時間程。俺はギターも放り投げて、ケータイを握りしめたまま部屋に寝転がっていた。

俺の彼女は忙しい。大学生だし、ついでにモデル業も兼業している。単なるバイトでしかないが、これが中々に忙しい。おまけに学業もあいつは手を抜かないので、スケジュールは普通の学生に比べるとかなり忙しい。
ついでに言うと、俺も割と忙しい。高校の時からずっと続けてきたバンドが最近広い範囲で認められ始め、メジャーにも手が届きそうだというところだ。でも、バイトはまだ続けている。バイト先にはさんざん世話になってるから、デビューしてどうにも続けられなくなるまでは続けようと思っている。楽器屋の仕事はむしろ好きだし。
バンド活動とバイトの両立というのも、これで中々忙しい。
そんなだから、会いたいと思ってもそう簡単には会えないのだ、実際。

とはいえ、2月14日といえば天下のバレンタイン様なわけで、そんな日にわざわざ集まる必要も無いだろうとバンド活動はなかった。他のメンバーだってそれぞれカノジョや気になるヤツがいるらしいし、俺への気遣い、でもある。だから、今日は一日ほとんどあいていた。

空いていた、俺は。

詩穂は学校があった。ついでにバイトも入っているらしい。それは知っていた。
…知ってはいたけれども、連絡の一つもないというのは、いくらなんでも酷くないだろうか。元々、あいつは電話とかメールとかがマメな方ではない。「用も無いのにそんな事したら悪いと思って」などというくだらん理由と、後は単に物ぐさというか、まぁ忙しさもあって、何となく俺の方がしょっちゅう電話やメールをすることになる。

…別に、淋しいだなんて思っているわけじゃない。ただ、友達からたまに聞く「カノジョとは一日一回ラブメール」みたいな話が死ぬほど羨ましくなるだけだ、それだけだ。

「…くそぅ、詩穂のヤツ。俺様をシカトとはいい度胸じゃねーか」

チョコレートは最悪もらえなかったとしてもだ。電話一つ、メール一つくらいあってもいいんじゃないだろうか。「付き合っている」ってのは、そういうものじゃないだろうか。そして、そういう心構えであれと説教の一つもかましてやってもいいのではないだろうか、…カレシなら。

「ったく、ホントに、どうしようもねぇヤツだな!」

口ではそんな偉そうな事を言いつつ、内心ドキドキしながらも俺はさっきから押そうか押すまいか散々迷っていた通話ボタンと押してみた。そろそろと、耳に薄っぺらい携帯電話を押し付ける。

『何?バレンタイン?ハリーってば、そんなコドモみたいな事言わないで、私は忙しいの』

そんな風に言われたらどうしよう。しかも、これはかなり可能性の高い話だ。凹む。

『今日は友達に飲み会誘われちゃって、断れなくて。今から二次会、え?だって断れないもの』

これもなくはない。あいつはしょっちゅうコンパとか何とか誘われる。仕方ない、イイオンナだから。でも本当は行って欲しくない。器の小さい男みたいに思われるのはイヤだから、言わねぇけど。

『ハリー、ごめん。…今日は、ちょっとダメなの。…ていうか、もう会えない。ごめんね』

…いやいやいやいや。これはない。さすがにない!あってたまるかよ、つーか、俺はぜってぇそんなの認めねぇから!

――もしもし、ハリー?どうしたの?

ぷつっと、向こう側と繋がる。耳に聞こえてくる、今日一日ずっと聞きたかった声。

「…どうしたの、じゃねぇよ」

あまりにも無防備な、そして無遠慮な声に、俺は何だかちょっとムカついた。俺が今日一日、どんな気持ちでいたか、お前は全然わかってないんだ。

――何?怒ってるの?
「……べっつに!お前は今日も忙しかったんだろ、ご苦労様でしたねって電話してやったんだよ」
――ちょっと、何、その言い方。…あ、そうだ。ハリー今、お家にいるよね?
「俺がどこにいようがお前には関係ないだろ!」
――何をそんな怒ってるか知らないけれど、用が無いなら切るから。私、出先なの。
「…え、ちょっ…!」

じゃあね、と、捨て台詞よろしく通話は無情にも断たれた。後にはただ、呆気に取られた俺と、沈黙したケータイだけが残る。

「…な、な、なんだよ、あいつ!!んっとに、マジありえねぇ!!」

携帯電話を放り投げ、電話の為に起き上がっていた体を、もう一度部屋に投げ出した。俺は詩穂が大好きだし(これはもう本当に恥ずかしいくらい、俺はあいつが好きなのだった)、だから多少のわがままやツレない態度その他諸々は許してやっていたが、こればっかりはさすがに腹が立った。バレンタインに、これはないだろ、なさすぎだろ、いくらなんでも。

(ずっと待ってた俺がバカみてぇじゃないかよ!)

腹が立って腹が立って、頭の中が煮えくりかえっているかのようだった。腹から声を出して叫びだしたい気分だけれど、今の時間はさすがに近所迷惑なのでやめておく。ていうか、こんな時にまで近所を慮る俺って何だ?全然ロックじゃない。

「…コウ、アンタ、そんな所で寝てたら風邪ひくわよ」

何の合図も伺いも無く、無遠慮に部屋の戸を開け、入って来たのは母親だった。まったく、母親と言うのは犯罪的にデリカシーのない人種だ。
しかし、俺は詩穂の事であまりに腹が立っていて、反応に一瞬遅れてしまった。そして、そのお陰で母親が俺の目の前に突き出しているモノを見落とさずに済んだ。小ぶりの、取り立てて特徴の無いフツーの紙袋。

「ついさっき、詩穂ちゃんが来て、これアンタにって。遅くなっちゃったけどバレンタインだからって」
「………な!って、おい!」

思わず母親の手からその紙袋を引ったくり、中身を確認する。中には手作りっぽいラッピングの包みと、カードが入っていた。ハリーへ、と、几帳面そうな字で書いてある。

「なんだよ…、何で黙って帰すんだよ!俺に言えよ!」
「私も会って行けばって言ったけど、詩穂ちゃんが帰るって言ったのよ。…針谷くん、今日は私とは話したくないみたいですし、ってね?」
「……!」

……「出先」、ってそういうことかよ。
思うが早いか、俺はジャケットを掴んで玄関に走る。髪はボサボサだし、服もなんかもうダセぇけど、そんな事はいい、構っていられない。

「ちょっと、行ってくる!」
「ちゃんとお家まで送るのよ」
「わかってる!」

あぁもう、何だもう、ムカつく。何で黙ってんだよ、何で帰ったりするんだよ、…まぁ悪いのは俺だけど。
走って、角を一つ曲がると、詩穂の背中が見えた。それだけで、嬉しくて嬉しくて顔がニヤケてくる。

くそ、悔しいけど、やっぱり大好きだ。

とりあえず、このまま抱きしめてしまうのくらいは許してもらおう。
俺をこんなに振り回して喜ばせた罰なんだから、仕方ないよな?






そして、本当に後ろから抱き締めて「痴漢かと思うじゃない!」と詩穂ちゃんに怒られます。
ガキんちょハリーでした。
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