リベンジ志波す。

本日2件目。一個前の記事でダークマター志波を妄想したところ、羽学に入学して一年経った元ソルジャーさんから「衝撃だった」と言われ、慌てて見直した。


・・・・・・・・で、見直したら何だか居た堪れなくなってきたので、いつものデレ志波さんを妄想した。
ごめんね、デイジー！もうあんな狂犬書くもんか！（しかも中途半端だし）（でも私にはあれが精いっぱい）



もちろんシチュは全く違います。悪しからず（何が）。

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「うっ……ふぇっ…」
「…なぁ」
「っく…うっ、だ、って…ぅえぇ…」
「とりあえず、泣きやんでくれ」

箱から何枚かティッシュを出して渡すと、彼女はそれを受け取りつつもまだしゃっくりを続けている。
頼むからお袋とか部屋に来るなよ、と自室のドアを睨みつけて念じた。こんな所に入ってこられたら弁解のしようもない。


けれども、誓って言うが俺が泣かせたわけではない（今回は）


原因は幼馴染から借りたホラーＤＶＤだった。何でも「映画史上最高の怖さ」なんだそうだ。面白がって元春が置いて行ったのだ。そしてそれを目ざとく見つけたのがあかりだった。

最初ははしゃいでいたあかりも、映画が始まると途端に顔がこわばった。どうも、アオリ文句は誇大宣伝ではなかったらしい。怖い、というよりもスプラッタ映画で何だか物凄い事になっていた。確かにホラー好きの元春は喜びそうな内容だ。

３０分経って、「やっぱり止めるか」と聞いたらふるふると首を振った。
けれど、その20分後、それはそれは凄惨なシーンがあり（俺も少しビクついた）、あかりは悲鳴を上げて、そしてそれで何かが切れてしまったのか、今のように泣き始めた…というわけだ。

こんな風に泣いているのを見るのは何時ぶりだろう。夏にお化け屋敷に入った時だろうか。あの時も途中で進めないとか帰りたいとか、さんざん駄々をこねて泣いたんだっけ。

人によって泣き方は色々だろうが、あかりは一度こうして泣くといつまでも泣きやめないらしい。子供みたいなものだ。
ぐずぐずとしゃっくりと嗚咽を繰り返す。そして俺はどうしていいかいつも途方にくれる。
女に泣かれるのなんて困るし、それが好きな女なら余計だ。何をしても裏目に出そうな気がする。

もちろん、対処法はもう知ってる。要は気持ちの問題だ。何度あっても慣れないということ。


「う…ひっく…ご、ごめ、しばくん…」
「いい。怖かったんだろ？…別に我慢して観なきゃいけないわけじゃねぇし」
「で、でも…しばくん、…つづき、見たかった、でしょ？」


目を真っ赤にしてそういうあかりを、俺は手元に引き寄せる。そのままぎゅうっと胸にしがみ付かれるのは、恋人になってからの特権だ。
映画なんてホントはどうでもいい。（今までＤＶＤの存在すら忘れていたくらいだ）
こうして傍にいられる事が何より大切だから。


「落ち着くまでこうしてる」
「うん……でももう平気だよ？」
「だめだ。まだ目、赤い」
「それは…しばらく治らないと思うんだけど…」
「じゃあ、まだ離せないな」


冗談っぽくそう言えばまた怒るかと思ったら、珍しくあかりはしがみついたままだった。腕の中で、そのままじっと動かない。


「あかり？」
「じゃあ…、じゃあもう少しだけこうしていても、いい？」




小さな声でそんな風に甘えられては、俺としては離すわけにはいかない。
別の意味で泣かせそうだ、と、俺は一人葛藤しなければならなくなるのだが、もちろんあかりの知るところではなかった。

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ピュア志波さんです。ていうか、いつもの志波さん。やっぱり志波さんはデイジーを甘やかしてナンボだと思うの！