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お返事と妄想自堕落日記
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 ツイッタで一人NIKITA.女ごっこしてたら、フォロワの方に心配された…すんませんw

昨日は友人宅でお食事&お酒の会でございました。主催の子も実家に帰る子で「じゃあお別れ会かー」って言ってたら、もう一人の子が「やだー!お別れ会なんて言っちゃやだー!。゚(゚´Д`゚)゚。」と言うので「また会いましょう会」に変更されました。

んで、この席で「お前はジョシとしてポンコツだ!」と言われまくり、「あぁん?お前だってポンコツだろーが!すぐダメ方向に考えるだろうが!すぐ悩むだろうが!」「お前なんか、考えるどころか、スルーじゃん!気付く間もなくスルーじゃん!!」と、愛のある会話を繰り広げておりましたよ。

で、とっても楽しかったんですが、帰りは終電ギリギリになり、しかも途中で電車なくなり、そこから歩いて帰ったっていう…。私、ダメすぎる。確かにポンコツだな。



さて、続きはこちらでは久々の「暴まご」の話。今回はワンコ王子と姫の話です。この間ツイッタで呟いた話の続き。何か、ここに吐き出すことになった。わけがわからない人はスルーして下さい。無駄に長い気が、しなくもない。




 






【空が泣く】




中学3年の頃、急に背が伸びた。一気に、20センチくらい。たぶん、その体格のお陰もあって俺はフォワードだなんていうポジションにいるのだろう。
部室の空気はじめじめとしていた。籠った空気。…もしかして雨が降るのかもしれない。

「…つめ、夏目!何ぼーっとしてんだよ。お前、帰らねぇの?」
「…うん。ちょっと休憩して、それから居残り練習する」

俺の返答に、仲間たちは「へぇー」と驚いたような顔をして見る。それはそうだ、俺はサッカーは好きだけど、居残ってまで練習するほど熱心じゃない。というか、ここにいる誰もがただの愛好者であり、それなりに強い気持ちはあっても、本格的にプロを目指すような奴は誰もいない。元々ウチの学校は進学校なんだから、当たり前だ。

「いいけど、雨降りそうだから程ほどにな」
「出待ちの女子に見つからないよーにー!なんつって」

からかうように言いながら先に出て行く部室仲間に手を振って、そのまま俺は部室のベンチに座り込んでいた。
俺が今の高校に入学することは、学校の先生からは無理だとも言われたし、反対もされた。成績はあんまり良くなかったし、折角サッカーが出来るのだから、そういうのが盛んな学校に進んだ方がいいと言われた。

けれど結局、俺は人生で死ぬほど勉強してこの学校に入った。

真優ちゃんに会ったのは中学1年の時だ。1年の時のクラスが一緒だった。
初めて会った時から、俺が今まで会ったことのある女の子とは全然違って見えた。ちっちゃくて、ほわほわしてて、大人しくて、何か危なっかしい感じだった。だから、助けてあげなくちゃって、いつも思ってた。
…あぁ、違う。そう言って、傍にいたかっただけなんだ。引っ込み思案で、中々クラスに馴染めずにいた(最終的にはそんな事なかったけど)真優ちゃんの、一番近くにいたかった。
会ったばかりの頃は、俺は今ほど背が高くなくて、そりゃ真優ちゃんよりは大きかったけど、それでも今ほど身長差はなかった。

『夏目くんは、やさしいね』

そう言って、笑ってくれるのが嬉しかった。不思議と、俺の事は怖くないのだと言ってくれたのは、いっそ誇らしいくらいだった。
背が伸びることは、俺にとっては憂鬱だった。大きくなればその分、傍にいることが難しくなるような気がしたから。いつ『怖い』と言われてしまうかわからない。本気でそんな風に思っていた。

…だから、俺はバカなんだ。問題は全然そんな事じゃなかったのに。

気付くと、灯りを付けていなかった部室は薄暗くなっていた。ボールを持って外に出ると、さすがに人の数はまばらだった。グラウンドにはほとんど誰もいない。空は、どんよりと曇っていて、落ちてきそうなくらいに低かった。たぶん、そのうちに雨が降るんだろうな。
とん、とボールを蹴り上げる。かかと、膝でリフティングする。何回か繰り返して、壁に向かってパスのつもりで蹴る。そんな事を一人で黙々とやった。

『…ごめんなさい』

泣きそうな顔でそう言った彼女の顔が、さっきから頭の中から消えてくれない。

『私、何にも、気がつかなくて…ごめんなさい』

小さく、ふるえる声で彼女は俺に謝るばかりだった。そう言われる事はわかっていた。わかっていたけれど、怒りなのか悲しみなのかわからないような気持ちになった。とにかく胸が苦しくて、どうしようもない。

(言わなければよかった)

…あんな顔、させてしまうくらいなら。

ぽつりと、水の粒が頬にあたる。やっぱり降ってきたらしい。グラウンドの土の色が、みるみる濃い茶色になっていったけど、俺はボールを蹴る足を止めなかった。

真優ちゃんの一番になりたかった。真優ちゃんにとって俺はただの友達だったけど、俺にとっては全然そうじゃない。だけど、俺は怖かったんだと思う。優しいね、いいひとだね、と言われる事に歯痒い気持ちになりながらも、でも、それを否定してまで自分の気持ちを言う事が。

彼氏が出来たって、別に構わない。それで笑っていてくれるのなら。ずっと友達でもかまわない。今までだってそうしてきたんだから、何てことない。そう思っていたし、実際それを、俺は今日まで実行していたはずだ。

『俺が、中学の時からずっと好きだったのは』

でも、友達でも構わないだなんて、本当はそんなのウソだった。二人で並んで歩いてるのを見かける度に沸き上がる苦い思いを、だけど見て見ぬフリをしてきただけだ。

ばちん、と、コンクリの壁に当たったボールが派手な音を立てた。思った以上に強く蹴っていたらしい。あらぬ方向へ跳ねたボールを見送りながら、雨が随分強くなっていた事に気が付く。腕も、脚も、顔も、びしょびしょだ。

「…何、やってんだ、俺」

こんなずぶ濡れになる程練習して、一体何になるんだ。サッカーなんて出来たって、何にも良い事なんてない。
サッカーが出来たって、俺は結局バカで臆病で、おまけに好きな女の子を傷つけちゃったんだ。それなのにこんなバカバカしいこと、雨に濡れながらどうしてやらなきゃいけないんだ。
何故か視界が滲んで、濡れた腕で目元を拭う。いくら拭ってもダメで、熱くて、揺れるばかりなので、とうとうそれを拭う事も止めてしまった。どうせ雨に濡れているんだから、誰もわからない。

『…ごめんなさい』

ざあざあと雨の降る中、俺はどこへも動けずにバカみたいに突っ立っていた。雨水を吸った体操服が体に張り付いて気持ち悪い。

「…ごめんね」

俺の方こそ、ごめんね。好きなのに、ごめん。好きだって、言ってごめん。





雨は、しばらく降り続いた。







初っ端に出した身長云々の話を、華麗に放置するあたりが、オレクオリティ。


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