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お返事と妄想自堕落日記
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今日は暑かったですねー…今日はっていうか、今日も?湿度を含むことによるあの空気の存在感は何ですか。もう汗だくになった。でも欲しかった漫画買えて、嬉しくなって移動中に読んでてうっかり泣きそうになりました。ヤバイ、あぶない。出てくる女の子の名前がコハルちゃんだったから、いつもよりも感情移入してしまったのは仕方ない。


今日は暑かったけど、曇りの日で雨が降りそうだったので、こんな妄想していた。雨と言えばこの男。
でも別にラブな感じじゃありません。先に言っときます。



ところで、漫画は難なく買えたのですが、もう一冊読みたい本があって、でもそれはちくま文庫なのですが、やっぱりツ○ヤじゃ置いてないか、そーか…。
つか、ケータイ小説の文庫置くくらいならちくま文庫置いてくれよ。いや私だって普段はちくま文庫なんて滅多に手にしないけど。でも今読みたい、という我儘に答えてはもらえませんかそうですか。
やっぱ大きい本屋さんに行かなきゃだめかなぁ…。








「…わぁ、雨降ってくるかなぁ…」

一人用の座席について、窓ガラスにこてんと頭を傾ける。窓から見える空は黒い雲が立ち込めていて、まだそれほど遅くもないのに、辺りを薄暗くさせている。
バスの中は少し寒くなるくらいに冷房が効いていて、外の蒸し暑さからは解放された。

中は、少し込んでいた。座席は全部埋まってて、立っている人も何人かいる。ガタガタと一定のリズムの揺れが、疲れた体を眠りに誘った。
今日は少したくさん買い物してしまった。いくつかある紙袋は、膝の上でバスが揺れるたび、ごそごそと動く。

――羽ヶ崎3丁目、羽ヶ崎3丁目…。

「……あ、いけない!す、すみません、おります!」

少し待ってくれた運転手さんに「すみません」と一礼してから、バスをおりる。途端に、息詰まるような蒸し暑さが体じゅうにまとわりついた。見上げた空は、黒く、低い。

「ねぇ、君」
「えっ…私?」

振り向けば、制服姿の男の子が立っていた。けれど、羽学生ではない。見慣れない制服だ。
背もすらりと高いし、覗きこんでくる顔だって「かっこいい」人だ。何となく、頭の良さそうな人だなぁと思う。

「そう、君だよ。これ、落としたの気付かなかったろ?」
「あっ…カーディガン、膝の上、置いてたの忘れてた…!」
「声かけたけど、君、気付かなくてさ。…で、僕も降りたというわけ」
「…もしかして、これの為に?」
「そういう事になるね」
「ご、ごめんなさいっ!」

慌てて頭を下げると、「いいよ、気にしないで」と彼は笑った。

「僕はね、こういうの慣れてるから」
「なれてる?」
「うん、何ていうのかな…思いがけないところで、思いがけない事が起こるっていうのかな。そういうこと」
「はぁ…」

よく意味がわからない。
ぽつりと、頬に濡れるのを感じてまた空を見上げる。とうとう、降り始めたらしい。

「…降ってきたね」
「ほ、ホントだ…早く帰らなきゃ」
「傘、持っていないの?」
「いいえ、折り畳み傘を一応」
「そっか、そうだよな。普通は持ってる」

ほんの一瞬、また彼は笑った。さっきの社交辞令的なものではなく、どこか懐かしそうな、でも寂しげな、何だかそんな笑顔。

「あ、あの…傘、持ってないんですか?」
「ああ、僕は持っていない。…いいんだ、どこかで適当に雨宿りするから」

「そうしたら、また会えるかもしれないしね」と彼はぽつりと零した。顔に感じる雨粒は、だんだん多くなってきている。

「ほら、君は荷物も多いし、早く帰りな。荷物を持って行ってあげられなくて悪いけど」
「い、いいえ!大丈夫です!上着、拾って下さってありがとうございました!」
「うん、じゃあね」

******

右手に傘をさして、左手に荷物を持って歩いて行く女の子の背中を、赤城はぼんやりと見送る。小さい子だなと単純に思った。さっき、彼女に訊かれた言葉に、赤城は知らず苦笑する。傘、持ってないんですか。
今日は天気予報でも午後から雨が降ると言っていたし、誰が見ても傘を持って出かける空模様だったっていうのに。

「でも、いいんだ。これで」

思いがけない時に、思いがけない事が起こる。それをひたすら願うしかない。賭けるしかない。

あの、雨の日のように。

******


「一ノ瀬」
「えっ…し、志波くん?」

どうしてここにいるの?と思わず訊いたら、お前こそその荷物は何だ、と、憮然とした顔で言い返された。

「両手塞がってたら、危ないだろ」
「え?べ、別に平気だよ?これくらいの荷物はよく持つし…」
「よくない。…あのな?こういう時は…」
「…?なぁに?」
「……何でもない」

またもや不機嫌そうな顔でそう言われ、傘と荷物を取り上げられる。自分が苦労して持っていた荷物を、志波は軽々と扱う。

「…これから買い物行く時は付き合う」
「えっ!ど、どうして…」
「こんな荷物、持たせられねぇ…何かあったらどうする」
「べ、別に何もないと思うけど…それより、志波くん、今両手塞がっちゃってるよ?危ないよ」
「お前が傘持ったら、俺、濡れるだろ」
「じゃ、じゃあ私が荷物…」
「それは却下」
「ふぇぇ、ど、どうしたら…」
「どうもしなくていい。…もうちょっと傍、歩けよ」
「え!…う、うん」

そぉっと二歩程近づくと、彼はいつもの静かな口調で「濡れるからな」と言って、ゆっくり歩き始めた。






長くてすみません。

要するにあれです。さよと赤城を遭わせただけっていう…ていうか志波主?なにこれ?
一応入っておきますと、さよはもちろん志波デイジーさんで(あれでも)、赤城にはちゃんと別の赤城デイジーさんがいます。

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赤城ぃぃぃぃぃ!
おはようございます!
なんという赤城! なんて親切なんでしょう~。優しい! 優しい!! そしてこんなにも偶然だのみの男は君だけだ!
なんというか…こういう親切を気負わずさらさらっとやってのけそうです、赤城くん。傘も二択で頼めば買ってきてくれるし。意地を張らずに甘えまくればきっとそれに応えてくれるんですよね。その代り意地を張らないと惚れてはくれないという…。きっとはば学の一雪スキーたちは甘え上手な女の子たちだったのですね。そういう子たちには見向きもしないのでしょう。
だから素直で可愛いさよちゃんは(まあもうすでに赤城デイジーと出会ってるわけだし)ターゲットロックオンされないですむのですね。志波くん安心したまえ(何様じゃ)。

素敵な赤城くんをありがとうございましたー!
アサマ 2009/08/07(Fri)08:16:22 edit
>アサマさま
赤城はお育ちが良さそうというか、その辺りの躾をきちんとされていそうなので、誰にでもさらっとできそうですよね。そしてどこまでも偶然頼み(笑)仕方ない、そういう運命の男だから!!

そうか、赤主デイジーは、他の子と違って意地っ張りだから…!それはあるのかも!なんか萌えてきました(笑)
赤城はさよのこと、たぶん同い年とは思ってないと思います。「中学生が、エラいなぁ」って天然かましています。さよはさよで「親切な人だったなぁ」で終わります。志波以外には何のセンサーも働かない(笑)

赤城もですが、さよのことも「素直で可愛い」とは…!この子はもう、あっちこっちでかわいがられて幸せ者です…!!よかったね、さよすけ…!

というわけで、コメントありがとうございましたー!
aika 2009/08/09(Sun)00:33:51 edit
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